コーヒーが隠し味。自慢の手作りカツカレーとは？

―ではいよいよ、アリサさんご自身がつくるカツカレーについてお訊きします。「ザ・モチベーションショップ」は、どのようなお店ですか。

アリサ：「モチベーションがアガるカレー」と「クセが強い靴下」の店です。カレーは基本的にスパイスカレー。カツカレーのルーは特別に欧風の要素をミックスして専用につくっています。

「カレーと靴下で世界中の人たちのモチベーションをあげたい！」って本気で思っているんです。（カツカレーは13:00から販売開始／なくなり次第終了）

―「カレーと靴下の店」とは、トガッたコンセプトですね。

アリサ：もともと靴下が好きだったんです。靴下一足でその日のモチベーションが変わるでしょう。

―「自分の店を開きたい」という夢があったのですか。

アリサ：いいえいいえ。ほんっと、たまたまなんです。私、3年前までタワーレコードで働いていたんです。そして当時のスタッフから、「西天満で“ゆとりちゃん”というシェアショップを始めるから、あなたも建物の一画でお店やらない？」と声をかけられましてね。「じゃあ、靴下とカレーの店をやろうかな」と。

―カツカレーの食べ歩きだけではなく、調理もお得意だったのですね。

アリサ：過去に「お酒が飲めるカレー屋さん」でアルバイトをしていたんです。従業員は女性オーナー兼店長と私だけ。二人でまわす小さなお店でした。

バイトといいながらも、カレーの調理や素材の発注、経理、ぜんぶ私がやっていました。店長がすぐにべろんべろんに酔っぱらっちゃうから（笑）。そういった経験があって、カレーはつくれたんです。

―先ほどカツカレーをいただきましたが、めちゃめちゃおいしかったです。香りが豊かで、味には深みを感じました。

アリサ：隠し味は「コーヒー」なんです。香りがいいのもコーヒーのおかげ。知人がコーヒーロースター（珈琲焙煎職人）で、朝に煎った豆を挽いてくれるんです。

「ザモチ（ザ・モチベーションの略）ブレンド」としてお客様にお出ししているコーヒーなんですが、これをカレールーにも使っていて。コーヒーがいい感じのほろ苦みになっていましてね。マンゴーチャツネの甘さとうまい具合にマッチしてくれています。

―あと、ライスがほこほこでおいしかったです。

アリサ：カツカレーって、ライスがおいしくないだけでぶち壊しなんです。なのでうちはガス窯の炊飯器で5合ずつ炊いて、炊き立てをお出ししています。お米も冷めてもおいしい品種を選んでいるんですよ。

―炊き立てなんですね。それは嬉しい。ライスの甘みと揚げたてのカツの香ばしさが絶妙に合っていました。

アリサ：カツは手仕込み。冷凍の既製品は使っていません。チキンカツとロースカツの2種類があります。手間がかかってる？　そうなんですよ。自分でも「私、なにしてんねんやろ」と思いますもん（笑）。

―それにしても、カツカレーをお好きで、自分もカレーショップを始めることになるのだなんて、運命を感じますね。

アリサ：偶然とはいえ、不思議ですよね。カツカレーによって私の人生が変化しているのは間違いないです。

―では最後にカツカレーの普及活動を通じて、伝えたいメッセージはありますか。

アリサ：父の死のショックから私を立ち直らせてくれたのは、カツカレーでした。カツカレーには元気がない人を勇気づける特別な力があるんやと思うんです。「この頃の自分、ちょっと落ちてるな」と感じたら食べてみてほしい。きっとモチベーションがあがりますよ。

―ありがとうございました。

カツカレーの画像を精力的にアップするSNSアカウント「カツカレー図鑑」を運営したり、手間を惜しまずおいしいカツカレーを提供したり。そんなメイドインアリサさんの姿を見ていると、自分も「カツカレーの食べ歩き」がしてみたくなります。

2021年の日本は、みんな本当にたいへんでした。ときにはカロリーなんて気にせず、元気の源であるカツカレーを食べてモチベーションをあげて、新しい一年へ立ち向かおうではありませんか。NO CUTLET‐CURRY, NO LIFE！

「カツカレー図鑑」第一集～第三集

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• image by:吉村智樹
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