一体なぜ?米文学の父マーク・トウェインと地球最大の樹木の関係とは
実は本人とは縁もゆかりもない「マーク・トウェインの木」
サンフランシスコの東、およそ300kmほど離れたシエラネバダ山脈内にある「セコイア・キングス・キャニオン国立公園」は、地球最大の巨木と呼ばれるセコイアデンドロンが多く生えていることで知られています。
同じアメリカの西海岸にある「ヨセミテ」や「グランドキャニオン」などの世界的に有名な国立公園には知名度では及びませんが、それでも観光客に人気の高い公園です。
そのセコイア・キングス・キャニオン国立公園の入り口近くに「マーク・トウェインの木」と呼ばれるものがあります。樹齢は1350年以上、直径4.8mの巨大な切り株です。
1891年に切り倒されたのですが、その理由は当時世界最大だったこの木をニューヨークとロンドンの自然歴史博物館に展示するためだったそう。そのころはあまり自然保護の概念はなかったのかもしれません。切り倒すまでに2人の木こりが13日間かかったと案内板に書いてありました。
現在は小さな階段がついていて、切り株の上に登ることもでき、木目のグラデーションが長い歳月を感じさせてくれます。周りは静かな広場になっていて、案内板の他には特に何もありません。
なぜ、この切り株にマーク・トウェインの名前がついているかですが、実はまったく意味も関連もありません。単にこの木が切られたころに、最も有名な作家であったからだといわれています。
命名の由来はともかく、この切り株の付近は静かな森に囲まれていて、ピクニックやハイキングにはおすすめのスポットです。駐車場の入り口からはよく整備されたトレイルが作られていて、約1kmほどの距離ですので、登山初心者でもまったく問題ありません。入口付近には食事ができるテーブルやトイレもあります。
同じ公園内でも、地上に現存する最大の樹木と呼ばれる「シャーマン将軍の木」には記念撮影をする人たちがいつも長い列を作っていますが、この「マーク・トウェインの木」はそんなことはありません。
筆者が訪れたときは、すれ違ったのは2組の家族連れだけでした。『トム・ソーヤー』や『ハックルベリー・フィン』の冒険に胸を躍らせたことがある人も、そうでない人も、アメリカの雄大な自然と歴史に思いを馳せることができるでしょう。
- 参考:Forbes
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