どこのジモト?他県民がびっくりする全国「難読地名」会話文クイズ
「すご!君、祈祷師?」
最後はまた、ちょっとトリッキーな会話文になります。自己紹介をする場面で、お互いの仕事を聞く瞬間もありますよね。何をしている人なのか、なんとなく仕事を聞けば、予想が付くからです。
しかし、筆者の知り合いは、初対面の人の生活レベルやキャラクターを職業で理解しようとする、場合によってはマウントをとろうとするこの手の質問が大嫌いだと豪語しています。
そこで、「何をしているの?」と聞かれたら、「木こりをしている」と答えるようにしているのだとか。
「弁護士です」「消防士です」「会社員です」「フリーターです」「ライターです」みたいな答えを予想している相手が、判断に困って呆然としている姿を見ると、楽しくなるみたいですね。
それはそれで悪趣味かもしれませんが、「木こり」のバリエーションとして、「祈祷師」もいいかもしれません。「木こり」ほどじゃないかもしれませんが、
「仕事何しているの?」
「祈祷師」
のやり取りは、それなりにインパクトがあるはずです。
「すご!君、祈祷師?」
という好奇心いっぱいのリアクションがあるかもしれません。
ずいぶんと遠回りしましたが、このトリッキーな言葉も、もちろん難読地名で作文できます。
- すご(巣子)
- きみ(紀見)
- きとうし(来止臥)
岩手県滝沢市にある「巣子(すご)」、和歌山県橋本市の「紀見(きみ)」、北海道釧路郡釧路町昆布森村にある「来止臥(きとうし)」の組み合わせですね。
個人的には、来止臥がとくにユニークな響きを持つ気がします。やはり、こちらもアイヌ語が語源で、「キト」=「キトビル(行者ニンニク)」、「ウシ」=「群生する」から来ているみたいですね。
行者ニンニクとは、
<深山の林内に生じ、ニラに似た強臭を放つ>(岩波書店『広辞苑』より引用)
とあります。まさに深山に生える、修行者が食べるニンニクを、行者ニンニクと呼ぶのですね。来止臥ではこの行者ニンニクがアイヌ民族には重宝されていたみたいですよ。
このように、全国の難読地名を使えば、意外にもたいていの会話は作文できてしまう説を検証しました。もちろん、一字一句正確に再現できない会話はあっても、同様の趣旨を伝える言葉はかなりの確率で難読地名から作文できてしまうはず。
それでも全国の難読地名を探して、ユニークな響きを持つ土地をめぐる旅の形も楽しそうです。その土地を知るきっかけにもなりますので、ぜひ皆さんも試してみてくださいね。
- 参考
- 新 ししゃも豆知識 – 十勝総合振興局
- image by:photoAC
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