夏しか見られない、一年に一度だけの絶景「三国花火大会」と「永平寺大燈籠ながし」
ゆらゆらと幻想的な「永平寺大燈籠ながし」
皆さんは「灯籠流し」を見たことはありますか?灯籠流しとはちょうちんの一種である灯籠に灯りをともし、川や海などに流す風習のことを指します。
灯籠流しは福井県や京都府、兵庫県などで多く見られる風習で、もともとは亡くなった方を弔うためお盆の時期に行われるものでした。
近年では花火大会に合わせて行われたり、平和を祈って行われたりと目的もさまざまになっています。色とりどりの灯籠がゆらゆらと流れていく様子はとても幻想的で、日本の夏の象徴といっても過言ではありません。
福井を代表する名所「永平寺」
永平寺町に鎮座する「永平寺」が中心となって行われるのが「永平寺大燈籠ながし」です。
永平寺は、灯籠流しで有名になったお寺というわけではなく、灯籠流しが始められる以前から福井県の名所として知られていました。永平寺の建立は770年以上前のことで、長い歴史を誇っています。
観光スポットとなっているお寺は全国各地にたくさんありますが、永平寺が他と異なるのは現在も修行に励む僧侶の方々がいらっしゃるということ。境内を散策していると「雲水(うんすい)」と、呼ばれる修行僧の方々にお会いすることもあります。
真剣に仏教を学び、道を求める雲水さんたちの姿は凛とした雰囲気の永平寺をさらに清らかなものにしています。
福井の夏を締めくくるイベント
そんな永平寺が毎年夏の終りに開催してきたのが「永平寺大燈籠ながし」です。永平寺から車で約15分ほどの場所にある永平寺河川公園で行われるイベントで、正式名称を「九頭竜フェスティバル 永平寺大燈籠ながし」といい、通常は「永平寺大灯籠ながし」と呼ばれています。
8月下旬に開催される福井の夏を締めくくる催しですが、新型コロナウイルスの影響で過去2年間は見送られてきました。2022年8月20日(土)、3年ぶりに開催されるのです!
会場となる永平寺河川公園は福井県のシンボルとされる一級河川「九頭竜川」のほとりにある公園です。普段は釣りを楽しむ方、散歩を楽しむ方などが訪れる静かな河川敷の公園が、永平寺大灯籠ながしの日は美しく幻想的なスポットに変身。九頭竜川に流される灯籠の数はなんと約1万個にのぼります。
約1万個の灯籠が流される灯籠流しは全国一の規模とされており、「日本夜景遺産」にも選出されるほど。
暗闇で大きな九頭竜川にオレンジ色の灯りをともした灯籠がゆらゆらと流れていく様子は、この世の光景とは思えないほど幻想的で美しく、しっとりとした魅力にあふれています。
「読経」も迫力満点
お昼間は明るく、楽しいお祭りの雰囲気を味わえます。バザーやステージイベントなどが行われ、食事の屋台もたくさん登場。子ども向けの広場も設けられ、少し涼しくなった夏の終わりを外で楽しく過ごすことができます。
昼間のイベントを楽しみ、日が落ち辺りが暗くなってからが灯籠流しの開始です。まず登場するのが130人余りの僧侶の方々。ステージの上で130人もの僧侶の方々が一体となり、読経が始まります。
地響きのように響き渡る読経は迫力満点。お香の香りと大迫力の読経で体が中から浄化されていくような感覚を味わえます。
願い灯籠は自分で流せる!
「永平寺大燈籠ながし」のクライマックスは、九頭竜川に浮かぶ約1万個の灯籠です。この灯籠はご先祖様を供養する「供養灯籠」と、願い事を記せる「願い灯籠」の2種類。このうち「願い灯籠」は自分の手で流すことができます。
九頭竜川に浮かび、ゆっくりと自分の手を離れて流れていく灯籠の姿は夏の思い出になること間違いなし。願い灯籠は当日会場で申し込むこともできますし、インターネットで事前に申し込むことも可能です。
灯籠流しが終わると夜空には花火が!美しい光に包まれた九頭竜川は、一年に一度だけ見られる絶景です。ぜひ訪れてみてくださいね。
- 永平寺大燈籠ながし
- 2022年8月20日(土)
- 公式サイト
福井県を彩る2つの夏のイベントはどちらもとっても魅力的。8月はじめの「三国花火大会」を訪れて真夏を満喫しても良いですし、「永平寺大燈籠ながし」で夏の終わりを感じるのもおすすめ。ファミリーはもちろんカップルで、友だちと一緒に、そしてひとりでも一年に一度の絶景を楽しめること間違いなしです。
- image by:photoAC
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