感謝祭とか復活祭って、結局なんなの?日本人が知らない海外の年中行事

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2023/01/25

春節(旧正月)

時期:1月下旬~2月中旬

image by:August_0802/Shutterstock.com

次は、アジアに目を向けてみましょう。日本にも影響が大きい「春節」についてです。春節とは、旧暦における正月(旧正月)だとはなんとなく知っていると思います。

ただ、中国人(中華圏の人)はこの春節をどのように迎え、具体的に何をして過ごすのでしょうか。

春節になると中国人が一斉に、海外旅行に出かけるイメージはありますが、もっと伝統的な過ごし方といえば、どのような形なのでしょう。

百科事典や各種の関連書籍を読むと、歴史が深く国土も広い中国でも、千差万別の習慣があると分かります。ただ、年中行事の中で最も重大であり、世界が死から生へと転じる晴れやかな日である点は都市も農村も変わりがないそうです。

<伝統的に家族と過ごすものとされており,先祖供養や,赤い封筒に入れた祝儀(利是〈ライシー〉)のやりとりなどを行なう>(『ブリタニカ国際大百科事典』より引用)

<家々では赤い提灯や灯籠を飾り、縁起の良い言葉が書かれた赤い短冊のような紙を貼る>(講談社『世界の祭り・イベントガイド』より引用)

<新しい衣服を着て、親戚や友人宅に挨拶回りをする。町中では花火や爆竹が派手に鳴らされる>(講談社『世界の祭り・イベントガイド』より引用)

<都市部に働きに出ている人の多くは帰省する>(講談社『世界の祭り・イベントガイド』より引用)

日本の正月をにぎやかにした感じでしょうか。中国人の豊かさが高まるにつれてこのタイミングで、海外旅行を楽しむ人もどんどん増えてきているのですね。

夏至祭

時期:スウェーデンでは夏至に最も近い土曜日とその前日

image by:Shutterstock.com

最後は、北欧や北米を中心に盛んに見られる年中行事の「夏至祭」です。感謝祭や復活祭、春節などと比べてちょっと知名度が落ちるかもしれませんが、「ミッドサマー」と聞くと分かる人もいるかもしれません。

そもそも、毎年6月にやってくる夏至とは、北半球において日中の時間が1年の中で最も長くなる日です。冬が長い地域においては特に重要な意味を持つ祭りで、前夜祭を含め大変な盛り上がりを見せます。

『世界の祭り・イベントガイド』(講談社)でも紹介されているように、スウェーデン各地に夏至祭があり、同じ北欧のフィンランドでもノルウェーでもデンマークでも、緯度の高いロシアなどの一部でも夏至祭は見られ、北米大陸でも夏至祭が見られます。

地域的な違いを超えて多くの土地に見られる共通のイベントはたき火です。どうしてたき火をするのかといえば、夏至以降に弱くなる太陽に力を与えるために火をたくみたいですね。


そのたき火を眺めながら、食事をしたり、歌を歌ったり、踊ったり、恋愛を占ったりと、さまざまな行事が催されます。

image by:photoAC

日本の場合は、梅雨の時期と夏至が重なるので、北海道を除いてピンとこない祭りだと思います。しかし、冬に備えて太陽を慈しみたくなる気持ちは、日本の中でも冬の長い地域に暮らす人からすると、よく分かるのではないでしょうか。

ちなみに、日本にもいくつか夏至祭は存在します。「夫婦(めおと)岩」で有名な三重県伊勢市の「二見興玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)」で行われる夏至祭が代表例です。

夫婦岩の間から昇る夏至の日の出と共に、海の清い水につかり、体を洗いそそぐ(罪や汚れを払い清める)のだそう。

このように私たち日本人からすると、聞いた覚えはあるけれどよく実態が分からない世界の年中行事がたくさんあります。他にも気になる行事があればこの際、ぜひチェックしてみてくださいね。

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翻訳家・ライター・編集者。成城大学文芸学部芸術学科卒。富山在住。主な訳書『クールジャパン一般常識』、新著(共著)『いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日』。北陸のWebメディア『HOKUROKU』創刊編集長。WebsiteTwitter 

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