感謝祭とか復活祭って、結局なんなの?日本人が知らない海外の年中行事
海外テレビドラマなどを見ていると「サンクス・ギビング・デー(感謝祭)」や「イースター(復活祭)」など、日本では見慣れない習慣があります。これらの祝いの日に熱狂する外国人たちの姿を見て、異文化を感じることが少なからずあるのではないでしょうか。
ほかにもアジアの国々で祝われる「春節(旧正月)」やヨーロッパの「夏至祭」など、聞いたことがあるけど、実際に何をやっているのかわからない海外文化がいくつかあります。
そこで今回は、名前は聞くけど実態があまりわからない海外の儀式や文化を詳しく調べたので、ご紹介していきましょう。
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
サンクス・ギビング・デー(感謝祭)
時期:毎年11月の第4木曜日
少し前に終わってしまいましたが『This is us』というテレビドラマがアメリカで大変な人気になりました。
双子の男女の赤ちゃんを産んだ白人夫婦が(本当は三つ子の予定だった)、わが子の出産日当日に病院で保護された黒人の捨て子を養子として引き取り、3人兄妹として育てていく物語です。
そのドラマでは、アメリカにおける「サンクス・ギビング・デー(Thanksgiving Day)」、いわゆる感謝祭の存在の大きさが繰り返し描かれています。この感謝祭とは、アメリカ人にとってなんなのでしょうか。
『日本大百科全書』(小学館)を調べると、アメリカ合衆国の祝日とまず書かれています。具体的には11月の第4木曜日。
どんないわれのある日なのかといえば、ヨーロッパ大陸から新大陸であるアメリカに渡ったキリスト教徒(清教徒)の一団「ピルグリム・ファーザーズ」が、新大陸の荒野を開拓し、初めて収穫を得た日に当たるのだとか。
「七面鳥の日(Turkey Day)」とも呼ばれるようにこの日は、七面鳥の丸焼きにし、カボチャのパイを家族で食べる日とされています。
<3日間続いた祭典にはインディアンも招かれ,七面鳥や鹿肉のご馳走が出された>(平凡社『世界大百科事典』より引用)
その理由は、このような理由からきているみたいですね。1776年(安永5年)に独立したアメリカの大統領がワシントンだったころの1789年(天明9年)に全国的祝日と定められました。
ブラックフライデー
時期:11月の第4金曜日
その感謝祭の翌日、11月の第4金曜日を「ブラックフライデー(Black Friday)」と呼びます。通販サイトAmazon(アマゾン)の利用者は、一大セールが行われるこの単語を見聞きした経験があるのではないでしょうか。
このブラックフライデー、そもそもなんで「ブラック」なのでしょうか?小学館『日本大百科事典』を見るとこのようにありました。
<「ブラック」という呼称は、小売業者が売り上げ増によってもうかる(黒字になる)こと、道路や店舗がこみ合って黒山の人だかりとなる>(『日本大百科事典』より引用)
大量に物を買わされる「暗黒の日」だから「ブラックフライデー」と呼ぶ説もあるみたいですが、いずれにせよそれだけ多くの人が一気に買い物を楽しむ日なのですね。
米ニューヨークタイムズの記事によれば「ブラックフライデー」は、1960年代にアメリカのフィラデルフィアで生まれた言葉だとされています。
感謝祭は、11月の「第4木曜日」です。フィラデルフィアでは、陸軍士官学校と海軍兵学校が戦う伝統のアメフト対抗戦「Army-Navy Game」が年に一度、11月の「第4土曜日」に開かれます。
その間に来る11月の「第4金曜日」は、フィラデルフィアの街が観光客であふれ、大勢押し寄せる観光客を見込んで販売合戦を小売店も繰り広げます。
いわば街中が大変な騒ぎになるわけです。地元の警察官も何かと大忙しになるタフな1日なので「ブラックなフライデー」と呼び始めました。その呼び方が全国的に定着したともいわれています。
いずれにせよ、比較的新しい言葉ですが、その定着ぶりはかなりのレベルです。「ブラック」という言葉の響きに好感を持たない人たちが「ビッグフライデー」と呼ぼうと試みたみたいですが、失敗したほど言葉は浸透しています。
祝日の感謝祭、週末の土日を挟むブラックフライデー(金曜日)を休みにする職場も少なくないくらい、アメリカ人にとっては年末商戦の幕開けを告げる「ビッグ」な1日なのですね。