日本人の男の7割が座ってトイレをする…これ 、海外ではどう思われているのか?

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2023/12/02

赤が女子、青が男は古い発想/オーストラリア

image by:Shutterstock.com

先日、オーストラリアに取材に訪れた際、まちの中心部にある大きな公園のトイレに入ろうとして、直観的に迷ってしまう瞬間がありました。

ピクトグラムのトイレマークが男女同じ色使いだったので、どちらが男性用なのか一見して判断できなかったのです(よく見たら、女性用のマークはスカートを履いていましたが)。

同じ公園内にある他の場所には「オール・ジェンダー・トイレ(すべての性別の人が使えるトイレ)」がありました。

その公園は、比較的新しい街のシンボルのような公共性の高いエリアに位置するので、男女の区別を強調しない先進的なトイレが目立ったのかもしれません。この「男女の区別」をトイレから撤廃しようとする動きは、ジェンダーフリーの思想が世界で最も進む北欧の場合、さらに目立つみたいです。

国際空港など、外国人が出入りする場所はまだまだ男女別々のトイレが一般的ではあります。

古い公共の建物なども、男女別のトイレのサインを「どなたでも」と切り替えたり、新しくできる公共の建物や大学、オフィス、公園にはオール・ジェンダー・トイレを導入したりするケースが多いとの話。

それらのオール・ジェンダー・トイレでは小便器が撤廃され、洗面台(化粧台)を男女で共有する、あるいは各個室に洗面台を設ける独立個室型などの設計が採用されています。

もちろん、北欧諸国ですら浸透率は十分ではないと現地に詳しい人はいいます。

しかし、ジェンダーに関する議論が伝統的に活発な地域であり、トイレはトイレ(排せつできればいい)という実用的な割り切り方をする人も少なくないらしいので、ネガティブな反応も目立たないのだとか。


image by:Steve Lovegrove/Shutterstock.com

世界経済フォーラムの発表する各国のジェンダーの不平等状況の報告書(2022年版)でも、北欧各国は男女の不平等が世界トップクラスに少ないと明らかにされています。

「男女の不平等がない→男女を区別しない→トイレの区別も不要」といった発想につながっているのでしょうか。

その点、ジェンダーに関する議論がまだまだ活発とはいえず、男女の不平等も世界で下位(146カ国中116位)の日本では、オール・ジェンダー・トイレの導入はハードルが高い様子。

日本の場合は「化粧直し」などトイレに、トイレ以外の機能を期待する人も多いはずなので、余計に道のりは険しいのかもしれません。

現に、超高層複合施設「東急歌舞伎町タワー」が新宿で開業したとき、オール・ジェンダー・トイレの存在に関して、SNSでさまざまな議論が起きました(※現在は廃止されています)。

「トイレを男女に分けるべきだ」と考える人は、シスジェンダー(心の性と体の性が一致)の人にまだまだ多いとの調査もあります。

とはいえ、男女共用(オールジェンダー)トイレが横浜駅に導入されたり、「男女共用お手洗い」の図記号がJIS規格(日本工業企画)制定されたりと、日本でも兆しは感じられます。

多機能トイレや車椅子使用者用トイレとは別に、男女共用の広めの個室トイレについては、比較的前向きな印象を持つ人も多い様子。その意味で、日本のトイレの姿が変わる日も来るかもしれませんね。

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