日本にくる韓国人が約60倍に増加。「日韓カルチャー」に憧れるZ世代のホンネ
2023年9月現在、ほとんどの国で新型コロナウィルス感染症による水際対策が終了し、海外旅行の需要が高まっています。
なかでも「韓国」は、昨年よりビザなしで入国が可能となり、以前にも増して気軽に韓国旅行を楽しむ人が増えているようです。
一方、今年は韓国人も海外旅行に日本を選ぶ人が多いという噂。最近は、観光地へ行くより「趣味」や「推し活」など、目的を持って観光を楽しむ人が多いとのことですが、実際にどんな「カルチャー」が流行しているのでしょうか。
そこで今回は、訪韓・訪日のデータをもとに、お互いのカルチャーを楽しむZ世代に、最近の日韓旅行事情を教えていただきました。
2023年の旅行先は「訪韓」「訪日」お互いに観光を楽しむ人が急増
今年5月に、韓国観光公社が発表した「2023年4月に韓国を訪問した外国人観光客の統計」によると、日本からの観光客は12万8,000人と、昨年の57.5倍もの人が韓国を訪れたことがわかりました。
集計されたのがゴールデンウィーク期間ということもありますが、国別の集計でも日本人観光客が最多という結果になったのだそう。
旅行会社エイチ・アイ・エスが調査した「韓国の旅行動向」によると、今年はソウル、プサンといった韓国の都市への予約が多く、なかでもソウルを選ぶ人は20代が36.5%と圧倒的で、20代以下でみれば約半数(48.3%)を占めており、ソーシャルネイティブであるZ世代から高い支持を得ていることがわかります。
一方、5月に日本政府観光局(JNTO)が発表した「訪日外客数(2023年4月推計値)」は194万9,100人。訪日外客数は、韓国からの観光客が最多で、前年同月比60.6倍の46万7,000人もの韓国人が日本を訪れたそうです。
訪日韓国人も日本人同様に、10代〜20代の若い世代が多い様子。日韓のZ世代が互いに旅行を楽しんでいることがよくわかる結果となりました。
日韓のZ世代に人気の「カルチャー」とは?
日韓の旅行事情を伺うべく、今回は、筆者の友人※で日本滞在歴5年の韓国人のユジンさんとミナさん、さらに日本のZ世代代表としてえみさんにお集まりいただきました(※3名とも仮名:20代前半)。
引き続き人気が続く、日本の「アニメ・漫画」
筆者(以下、筆):ユジンさんとミナさんはすでに日本に暮らしていますが、韓国のお友だちも日本に遊びにきたりしますか?
ユジンさん(以下、ユ):もともと近いから来やすいのもありますけど、ウォン高・円安になってから日本に遊びにくる友だちは増えましたね。
筆:為替事情も影響してるんですね。ちなみにみなさん何を目的に遊びにきてるんですか?
ユ:前から日本のアニメや漫画は人気がありましたが、最近も『呪術廻戦』とか『チェンソーマン』とか、日本の流行とほぼ同じタイミングでブームになっているんですよ。なので、オタク友だちは聖地巡礼で日本にきてましたね。
ミナさん(以下、ミ):わたしもこないだ韓国の友だちとアニメの話題になったよ。『THE FIRST SLAM DUNK※』にハマりすぎて、湘南行ったら韓国人だらけで笑ったって言ってた。(※『SLAM DUNK』を原作とするアニメ映画。作中に湘南エリアが登場する。)
筆:たしかに、韓国では映画の累計観客数が400万人突破したって報道されてましたもんね。それで日本まできてくれるエネルギーがすごい。
ミ:ユジンちゃんも日本のアニメとか漫画が好きで日本にきたんだよね。オタクは熱量が違うわ〜。