【未解決】謎の失踪を遂げた「世界のお宝」シリーズ

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2024/02/01

北京原人の骨格

化石が見つかった中国の周口店にある石灰岩洞窟 image by:beibaoke/Shutterstock.com

北京原人の化石は、今からおよそ100年前に発見されました。中国北京の郊外にある周口店という村の石灰岩洞窟が発見場所です。周口店の北京原人遺跡は世界遺産にも登録されています。

その化石の行方がドラマティックです。『日本大百科全書』(小学館)によれば、1923(大正12)年に歯が発見され、1929(昭和4)年末に頭骨が発見されて、約40体分の原人骨格がその後も発掘されるなど、多くの実物化石が見つかりました。

image by:beibaoke/Shutterstock.com

しかし、1937(昭和12)年に日中戦争が始まると発掘調査がストップ。戦争の拡大と共に実物化石の避難が必要になり、1941(昭和16)年にアメリカへ送られました。

すると今度は、化石発送の翌日に太平洋戦争が始まり、実物化石の全てが行方不明になってしまったのだとか。

幸いにも、精緻な模型標本がつくられてはいましたが、発掘調査を周口店で戦後に再開しても、戦前ほどの実物化石は見つかりませんでした。

世界史の教科書にも登場する北京原人の実物化石はどこへ行ってしまったのでしょうか。今も行方不明です。

世界初の長編映画のフィルム

image by:Shutterstock.com

パリのグランカフェ広場でリュミエール兄弟が、シネマトグラフという装置で上映した短い映像が映画の始まりとされています。年代でいえば1895(明治28)年。

その約10年後の1906(明治39)年に『The Story of the Kelly Gang』という無声映画がオーストラリアで公開されました。イギリスから実質的に独立してオーストラリアが連邦国家となってから5年後の出来事です。

フィルムのリールの長さは1,200mに達し、世界最初の長編映画と後年評価されました。ユネスコ「世界の記憶」にも2007(平成19)年に登録されています。


映画の内容は、数々の罪を働き25歳で絞首刑にされた強盗団の首領ネッドケリーが主人公です。大悪党でありながら民衆に人気の反権力者を取り上げた映画は、興行的にも、専門家からの評価でも大成功を収めました。

image by:Shutterstock.com

しかし、反権力者のカリスマを描いた大ヒット映画を、政治家や警察など当時の権力者の側は好ましく思いませんでした。一部の州では上映禁止となります。

さらに、オーストラリア内におけるいくつかの州や他の英語圏の国で公開され、観客を魅了し続けたものの、フィルムの扱いが好ましくなく、1,200mに及ぶ長大なフィルムの大半が1970年代までに失われてしまいました。

以後、さまざまな形で断片が発見され、全体の3分の1近くまでは復元されましたが、オリジナルフィルムの大部分は失われたままです。

残りの部分が奇跡的に残っていて発見されたら、オーストラリアの映画産業に従事する人たち、さらには世界の映画関係者の間で大ニュースになりそうですね。オーストラリアは現在、自国の歴史の奥深さをプロモーションする活動に熱心ですし。

ロスト・ダッチマンズ・ゴールド・マイン

image by:Shutterstock.com

最後は、アメリカの南西部、アリゾナ州のスーパースティション山地にある伝説のロストダッチマン鉱山についてです。

「ロストダッチマン」と聞くと中には、ハイキングやマウンテンバイク、キャンプといったアウトドアアクティビティを楽しめるロストダッチマン州立公園を思い出す人もいるかもしれません。

この公園の名前もそもそも、近くにあるスーパースティション山地のロストダッチマン鉱山の伝説に由来しています。

image by:Marine 69-71 at English Wikipedia, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

ロストダッチマン鉱山とは、今でも正確な位置が分かっていないものの、豊かな金の鉱脈が鉱山とされています。1840年代には、メキシコの家族が鉱山を開き、1870年代にも、ジェイコブワルツというオランダ人(実際はドイツ人)が大量の金を掘り当て隠した場所ともされています。

ジェイコブワルツは体を壊し、フェニックスへ移住すると、持参した大量の金塊で豪遊を繰り返しました。さらに、亡くなる前、彼の面倒をみていた隣人のジュリアトーマスに対して金鉱脈の位置を明かしました。

しかし、ジュリアトーマスを始め、その後に続く誰もが金鉱脈の場所を発見できず、ジェイコブワルツを大富豪にした鉱山が「ロストダッチマン(失われたオランダ人の)鉱山」として噂されるようになったのですね。

この鉱山を突き止めようと、人生の大半を調査に捧げるトレジャーハンターたちは後を絶ちませんでした。

さらに、それらトレジャーハンターたちが行方不明になったり謎の死を遂げたりするため「ロストダッチマン鉱山」はさまざまな憶測を呼ぶようになります。もちろん現在も金脈は見つかっていません。

以上、いまだ見つかっていない「世界のお宝」をいくつか紹介しました。伝説めいた話から、本物の世界史に関係する話まで、いろいろありました。

海外旅行の際には、近くにある「お宝」伝説について調べてみると現地滞在の時間にまた楽しみが1つ増えるかもしれませんね。

【参考】

 

  • image by:Unsplash
  • ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。
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翻訳家・ライター・編集者。成城大学文芸学部芸術学科卒。富山在住。主な訳書『クールジャパン一般常識』、新著(共著)『いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日』。北陸のWebメディア『HOKUROKU』創刊編集長。WebsiteTwitter 

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