一獲千金のチャンスにかける。沈没船から実際に見つかった「財宝」たち

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2023/02/24

海底に眠る「お宝」を発見し、一獲千金のチャンスにかける、そんな人生を送る人たちが世界中にいます。有名な映画『タイタニック』にも、沈没したタイタニック号から財宝を引き揚げようとする人たちの姿が描かれていました。

しかし、この沈没船から財宝を引き揚げる話、意外に夢物語ではなく、現実に結構起きている話だとご存じでしょうか。そこで今回は、世界の沈没船から発見されたお宝の数々を一部紹介します。

※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。

スペインの大型帆船「ヌエストラ・セニョーラ・デ・アトーチャ号」

「ヌエストラ・セニョーラ・デ・アトーチャ号」の砲身。image by:Paul Hermans, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

沈没船の財宝を探すとき、「狙い目」の海域があるみたいです。最初は、その海域から見つかった沈没船と財宝の話を紹介します。

狙い目の海域とは、カリブ海を中心とした西インド諸島周辺の海ですね。カリブ海とは、中央アメリカと南アメリカ、西インド諸島(キューバやドミニカなど)に囲まれた大西洋の付属海です。

昔から、新大陸(植民地)で得た富を本国へ輸送するスペイン黄金船団の交通路として使われてきたため、一説には、価値ある積み荷を載せたまま沈没してきた船が1,000隻近く存在するといわれています。

「カリブ海」image by:Shutterstock.com

その代表例が、フロリダ半島に近い沖合で発見された、スペインの大型帆船「ヌエストラ・セニョーラ・デ・アトーチャ号」(以下、アトーチャ号)です。

アトーチャ号はかつて、新大陸の巨大な富を母国に輸送する28隻の黄金船団を統括する帆船でした。

1622年9月4日、西インド諸島の北にあるフロリダ海峡に面したハバナ港から、アトーチャ号に率いられた黄金船団が、銀塊・棒金・銀貨・銅製品などの財宝を満載した状態で出港します。

しかし、出港後間もなく、急速に発達した熱帯性暴風に遭い、船団は隊列を崩して相次ぎ沈没してしまいました。


船団を統括するアトーチャ号も例外でなく、カリブ海から見て北方に位置するフロリダ海岸の方向へ押し流され、約550人の命と、2億5千万ドル相当の金貨と共に海中へと沈んでしまいます。

その船が、350年近く経過した段階で、財宝探しに一生を費やしたメルヴィン・A・フィッシャー氏らによって発見されたのです。

水揚げされた財宝の価値は、情報源によって異なります。フィッシャーさんの後を継いでトレジャーハンティングを行い、財宝を保管・展示する博物館の運営も手掛ける「Mel Fisher’s Treasures」のホームページによると、財宝の価値の総額は4億5000万ドル(600億円くらい)に及ぶといいます。

誰の所有物とするか引き揚げ後に裁判でもめたそうですが、フィッシャーさんに有利な判決が最終的には下されたみたいです。

ちなみに、2015年には、アトーチャ号発見30周年を記念して、アトーチャ号とその姉妹船から引き揚げられた財宝40点近くがニューヨークでオークションにかけられ、2億5000万円ほどで落札されました。

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