「日本三大酒どころ」のひとつ、風情あふれる広島・西条の蔵元めぐり
兵庫の灘、京都の伏見と並ぶ「日本三大酒処」のひとつ、広島・西条。その西条には古くからの「和」そして「洋」も感じられる、風情あふれる美しい街並みがいまも残り、7軒の蔵元が日本酒を日々製造しています。
それぞれの蔵元の見学や日本酒の飲み比べなど、全国の酒好きが足しげく通う広島屈指の人気旅行先です。
西条まで、広島からJR山陽本線に乗って約40分。日本酒はいまや「sake」として、日本国内のみならず海外からも注目を集めています。
今回は「酒都」と呼ばれる西条での街歩きの見どころや、西条の日本酒がなぜ美味しいのか、さらにご当地グルメなども合わせて紹介します。
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウィルスの国内・各都道府県情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
甘口や淡麗など個性豊かな日本酒がそろう「西条」
JR西条駅から歩いてすぐ。東西に伸びる「西条酒蔵通り」には、日本酒を製造する蔵元が7軒あります。それが、「山陽鶴」「白牡丹」「西條鶴」「亀齢」「福美人」「賀茂鶴」「賀茂泉」の7つの蔵元。
日本酒好きならどの名前も一度は聞いたことがあるでしょう。西条には甘口、辛口、濃淳、淡麗など個性あふれる日本酒がそろっています。
まずは、西条駅にある「東広島市観光案内所」を訪れるのがおすすめ。観光パンフレット、キャンペーンやイベントなどのチラシなどがもらえます。
ちなみおに西条酒蔵通りの「くぐり門」にも別の観光案内所があり、ここでも情報収集ができ、日本酒にちなんだお土産も多く販売されています。
- 東広島市観光案内所
- 東広島市西条町西条475-2 JR西条駅2F
- 082-430-7701
- 定休日:なし(年末年始をのぞく)
- 9:00〜18:00
- ※新型コロナウイルスの影響により臨時休業の可能性があります。詳細はお問い合わせください。
- 西条酒蔵通り観光案内所
- 東広島市西条本町17-1
- 082-421-2511
- 定休日:月曜、年末年始
- 9:00〜16:00
- ※新型コロナウイルスの影響により臨時休業の可能性があります。詳細はお問い合わせください。
西条は西国街道の要所で、江戸時代に「西条四日市」と呼ばれた宿場町。広島藩最大の御茶屋(本陣)には、当時の大名らが泊まったことで知られます。
明治時代に入ると賀茂郡役所として使われた本陣、その跡に復元された表御門が当時の雰囲気を醸し出しています。
この西条で酒造りが始まったのが、江戸時代の1675年ごろ。特に、明治時代後期に「軟水醸造法」が開発されて以降、県内で湧き出る新鮮な軟水の活用、広島酒米の品種改良、鉄道の開通などとあわせ、もともと寒暖差が大きい西条は「酒都」として発展を遂げました。
個性豊かな7軒の蔵元めぐりへ
7軒ある蔵元は、それぞれ見どころ満載です。ぜひ1軒ずつじっくり訪ねましょう。
上品な旨さ「山陽鶴酒造」
最も西にある「山陽鶴酒造」は、清酒本来の「甘酸辛苦渋」が一体となった上品な旨さが特徴。1912(大正元)年創業で、直売所では日本酒や酒器などを販売しています。
山陽鶴酒ラベル、「酒まつり」の題字を揮ごうした書刻字作家・安達春汀の書などは必見です。
- 山陽鶴酒造
- 広島県東広島市西条岡町6-9
- 082-423-2055
- 公式サイト
歴史ある「白牡丹酒造」
広島県内で最も古い歴史を持つ酒蔵といえば「白牡丹酒造」です。島右近の子孫が始めたと伝わる蔵元は、1675(延宝3)年創業。
「白牡丹」の銘は、京の五摂家・鷹司家から賜ったことで知られます。すっきりとした甘さの酒が特徴。棟方志功の版画(模写)や白牡丹酒ラベルなどが見学できます。
- 白牡丹酒造
- 広島県東広島市西条本町15-5
- 082-422-2142
- 定休日:第2・第4土曜、祝祭日
- 本社見学室:平日9:30~16:00、土曜10:30~16:00(商品購入者のみ)
- 公式サイト
伝統的な手作り醸造「西條鶴醸造」
「西條鶴醸造」は、1904(明治37)年創業当時の酒蔵がいまも残り、江戸期天保年間に掘られた井戸水と地元産米による伝統的な広島杜氏による手作り醸造で知られます。
黒格子の店舗、事務所のドアにある「鶴」をイメージしたデザインのステンドグラスは見どころのひとつ。伝統の醸造技術は、わかりやすいパネルで紹介されています。
- 西條鶴醸造
- 広島県東広島市西条本町9-17
- 082-423-2345
- 公式サイト