日本を震撼させた「オタマジャクシ騒動」、なぜ空から生き物が降ってくる?
世界では、空から変なものが降ってきたケースが、いろいろと確認されているようです。
村上春樹さんの小説『海辺のカフカ』でも、空から大量の魚(アジとイワシ)が降ってくる様子が描かれていましたよね。
実は日本でも、ありえないものが空から降ってきたケースが実際にありました。そこで今回は、空から落ちてくるはずのないものが降ってきた世界の事例を紹介します。
なぜか空から「魚」が降ってきた
最初は、村上春樹さんの小説にも登場した「魚」です。海や川に住む魚といえば、空から降ってくるようには到底思えないものの、空から降ってきたという報告が過去にたくさんあります。
例えば、直近のニュースでいえば、アメリカのテキサス州テクサーカナで空から魚が降ってきたと2022(令和4)年にCNNで報じられました。
サイズ的には、手のひらの大きさくらいの魚。テクサーカナの市当局は「竜巻によって魚が吹き上げられ、上空で勢いを失って落下してきたのではないか」と見解を発表しています。
テキサスのテクサーカナで魚が落ちてきた、日本語的には面白い設定ですね。
この手の出来事を「アニマルレイン(動物の雨)」、もしくは「ファフロツキーズ現象」ともいいます。
<《fafrotskiesはfalls from the skiesからの造語》小魚やカエルなどの異物が、空から大量に降る現象。竜巻や突風によって巻き上げられたものとする説もあるが、原因は不明。ファフロッキー現象>(小学館『大辞泉』より引用)
「ファフロツキーズ現象」については、日本の辞書にも掲載されるほど、比較的知られた言葉の様子。
ほかの例でいえば、2010(平成22)年に、オーストラリアの北部地方・ノーザンテリトリーにある砂漠の町で、数百匹の魚が降ってきたと英『デイリーメール』が報道しています。砂漠に降ってきた貴重な魚を住人たちは競って拾ったみたいです。
もっと古い例でいえば、古代ローマの政治家にして文人である大プリニウスも「魚とカエルが空から降ってきた」と書物に書いているのだとか。ミステリアスな出来事というよりも結構、メジャーな話なのですね。
頻繁に「カエル」は空から降ってくる?
大プリニウスの書物に、魚とカエルが空から降ってきたと書かれていると紹介しました。カエルの事例は、大プリニウスのケースだけではありません。
「アニマルレイン」や「ファフロツキーズ現象」をまとめた英『デイリーメール』の記事によると1794(寛政6)年、フランス北部に駐屯していたフランス軍の兵士たちが、豪雨とともにカエルが降ってきたと報告しているそうです。
1873(明治6)年には、アメリカの科学者がカンザスシティで、地面が見えなくなるくらいのカエルが嵐と共に降ってきたと報告しています。
最近でいえば1981(昭和56)年5月、北アフリカに生息するカエルがギリシャ南部のナフプリオンに降ってきたと報じられていました。
もちろん、これ以外にもカエルが降ってきた例は多数報告されています。皆さんの町にも、カエルがいつか降ってきてもおかしくないのかもしれません。