あの白い「しめ縄」の下には…ミステリーに包まれた相模湖周辺をぶらり旅

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2024/03/15

湖上に浮かぶ謎の白い注連縄の正体は

image by:旅人間

目の前に広がる相模湖は、山々に囲まれた自然豊かな場所にあります。遊覧船乗り場から目を細めて遠くを見ると、白い何かが見える…。あれが噂の「謎の白い注連縄」でしょうか?

その真相を明らかにするため、相模湖でニュースワン丸を運営する勝瀬観光株式会社の代表の小野澤さんにお話を聞いてみました。

その質問の答えは直球で返ってきます。「そうや、あの白い大注連縄の下に道祖神が埋まっている」と…。道祖神(どうそじん)といえば、村境、峠などの路傍にあって外来の疫病や悪霊を防ぐ神として知られ、縁結びの神、旅行安全の神とも言われています。そして、小野澤さんは話しながら貴重な資料を見せてくれました。

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しかし何故、湖の中に道祖神が?

そんな質問をすると、現在は湖底 30~50mほど下にあり全く見えませんが、この湖底には、かつて旧日連村の勝瀬という集落があったのだそう。そこは豊かな水田があり、舟運、川魚漁などが盛んで、避暑地として栄え、多くの人が暮らしを営んでいたそうです。

この付近は蚕(かいこ)が盛んな地域で、この地にあった道祖神には「沢山の繭(まゆ)がとれますように」と生産への願いが込められていたという。お蚕さんの増産は、子宝、子孫繁栄・縁結びにも関連性があるのだそうです。

そして、この地にあった道祖神の後ろには沢が流れており、その近くにあった岩の形から「さねがさわ」と呼ばれていました。

「さね」を漢字で書くと「実」、どうやらその岩が女性器の形に似ていたことから注連縄をし「縁結び、商売繁盛、交通安全にご利益のある神聖な場所として祀った」と地元で伝わっているそうです。

現在ある「白い大注連」縄は、その当時の名残だとか。そして、注連縄の近くまで船で行き
手を合わせると”恋愛が成就する”とパワースポットとして注目を集めるようになったとい
う。


ニュースワン丸に乗ってパワースポットへ

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白い大注連の謎が解明したので、遊覧船に乗って近くまで行ってみることに。現在運航中のニュースワン丸は昭和41年に就航した日本で初めての白鳥型遊覧船スワン丸の姉妹船で、レトロな雰囲気もあって愛嬌もあります。

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1周約25分の相模湖遊覧が楽しめます。船内放送で地名の由来、歴史、そして沈んだ村についての案内が流れていました。

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その中でも、やはり気になるのはダム湖に沈んだ村の話。船内には、当時の村の写真が飾られています。今は何事も無かったかのように、穏やかで平和な雰囲気に包み込まれていますが、ここで起きた事実は知っておくべき。

この相模ダムは1938年に県議会で可決され、建設が始まったのは1941年ごろ。それは日中戦争~太平洋戦争の最中。国際社会の中では孤立を深め、日本は経済封鎖されていた時代です。つまり、軍需産業に電気を送るために、ダムは不可欠とされたよう。

もちろん「先祖代々の土地が消えてしまう」と人々は抵抗運動をしましたが、軍から圧力をかけられ、泣く泣く故郷を手放すしかなかったそうです。

この村に住んでいた人々の多くは現在の海老名市に集団移住し、その地名には「勝瀬」という名が付いたという。幾多の困難を乗り越えて完成した相模湖は、神奈川県民の大多数にとって貴重な水瓶の1つとして現在も重要な役割を果たしています。

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穏やかな湖を遊覧する船は、次第に道祖神のある「白い大注連縄」に近づいてきました。船は「白い大注連縄」の目の前で少し止ってくれるので拝観ができます。

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そして、近くで写真も撮れる!と思っていましたが…

image by:旅人間

逆光で目の前が光に包まれる。眩しい…。とりあえずシャッターを押すと、何だか神秘的な写真が撮れました。何だコレ!想像以上に神秘的じゃないか。

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謎スポットなんて表現をしていましたが、この幻想的な感じ、まさしくパワースポットそのものと断言したくなります。特にこの相模湖は「湖に沈んだ村」のある場所。謎めく何かが起きても不思議ではありません。

まして今もココには、昔から信仰されていた道祖神が眠っているのだから…。

  • 勝瀬観光株式会社
  • 神奈川県相模原市緑区与瀬382
  • 042-684-2131
  • 大人1,000円/小学生500円(ニュースワン丸)
  • 9:00~18:00(冬季は 17:00まで)※1周約25分
  • ホームページ
  • image by:旅人間
  • 取材協力:勝瀬観光株式会社
  • ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。
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ちょっと変わった旅が好きなライター。 マラッカ海峡に沈んだお宝を探しにマレーシアに行ったり、 タイの奥地で首長族の村に泊まったり。 只今、関西の食べ歩きにハマり中!

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