大谷翔平を安く観戦する裏ワザ…来季以降は「サクラメント」がおすすめなワケ

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2024/09/06

ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手が大活躍しているおかげで、ロサンゼルスに大勢の日本人観光客が戻ってきている感があります。

MLB全体で2番目に収容人数が多いドジャー・スタジアムがいつも満員に近いですし、そのうち日本人が占める割合もかつてないほど大きくなっているのではないでしょうか。スタンドのあちこちから日本語の会話が聞こえてきます。

いきなり個人的な話をしますと、私も今シーズンすでにドジャー・スタジアムで7試合を観戦しました。日本からやってきた友人や親戚を案内するという名目で、もちろん自分も大いに楽しんでいます。

なにしろ、その7試合のうち大谷選手がホームランを打たなかったのは1試合だけという高確率に恵まれているのです。

ドジャー・スタジアム内ショップ image by:角谷剛

ただ、観戦コストやアクセスの利便性といった角度から見ると、ドジャー・スタジアムは必ずしもベストな選択肢とは言えないよ、という話を以前に書きました。

散々「オオタニサーン」と大騒ぎしておいてなんですが、今でもその考えは変わりません。もっとMLB観戦を楽しむための諸条件が良い球場は他にもあります。

2024年シーズンが終盤に近付きつつある今、もし来年以降にMLB観戦の計画を立てている人がいれば、カリフォルニアの州都である「サクラメント」を行き先の選択肢に入れることを強くオススメします。ただし、2025~2027年の3シーズンに限ります。そのわけは……どうか読み続けてください。

やはりガラガラだったオークランドでのドジャース観戦

8月2日、対ドジャース戦開始30分前のオークランド・コロシアム image by:角谷剛

MLB全30球団にはそれぞれの本拠地球場があります。スポーツ専門局『ESPN』のレポートによると、2024年シーズンの約4分の3以上が終了した段階(8月26日)で、1試合平均入場者数が最多なのはロサンゼルス・ドジャース(48,270人)、最少はオークランド・アスレチックス(9,877人)です。

そのMLB最低人気チームのアスレチックスがドジャースを本拠地に迎えて行われた3連戦シリーズ初戦を観に行ってきました。良い席が安い価格で入手しやすかったという理由以外に、一度オークランド・コロシアムに行ってみたかったのです。


なぜならこのスタジアムでMLBの試合が行われるのは今シーズンが最後になるからです。アスレチックスは今シーズン限りでオークランドから移転することが決定しています。

球団オーナーにチーム売却とオークランド残留を訴えるファン image by:角谷剛

皮肉なことに、オークランド・コロシアムは収容可能な人数ではMLB最多の56,782人を誇ります。ドジャー・スタジアム(56,000人)よりキャパは大きいのです。

野球専用ではなく、アメフトと兼用の多目的スタジアムだからという事情もあります。共有していたNFLレイダースはアスレチックスより一足早く、2020年にラスベガスへ移転しています。

この日のドジャース戦では大谷選手目当てであろう人たちが多くやってきて、入場者数は20,000人を越えました。普段の倍以上です。それでも、このやたら広いスタジアムはその半分も埋まっていなかったことになります。

1966年に開場した建物の老朽化が著しいのはともかくとして、周囲の環境はほとんどスラム化していました。鉄道の駅がすぐ近くにあるのですが、そこから徒歩で向かうことをかなり躊躇しました。女性や家族連れなら尚更でしょう。実際、自動車で来場していた人の方が多かった印象があります。

オークランド残留を望むファンには悪いのですが、移転はやむを得ないと思わざるを得ませんでした。

近い、安い、キレイ、安全が期待できるサクラメントの現マイナーリーグ球場

Sutter Health Parkライト側外野席と背後に見えるダウンタウン image by:角谷剛

アスレチックスの新たな本拠地となるラスベガスでは新スタジアムの建設が始まっていますが、完成までは3年以上はかかる予定です。それまでの3シーズン、つまり2025~2027年はサクラメントにある現マイナーリーグ球場「Sutter Health Park」がアスレチックスの仮本拠地となります。

私はこの球場にも行ってきました。現在はサンフランシスコ・ジャイアンツ傘下3Aサクラメント・リバーキャッツの本拠地として使われている球場です。

マイナーリーグ球場の野球観戦は楽しいですよ、と以前に紹介したことがありますが、この「Sutter Health Park」もその例に漏れません。

マイナーリーグの球場らしく、ぐっと小規模(最大収容人数14,014人)なのですが、アスレチックスには十分なはず。客席とフィールドとの距離は近く、すべての席が特等席と言ってよいでしょう。

Sutter Health Park image by:角谷剛

2000年開場の建物はまだ新しく、機能的な作りになっています。広々とした通路には食べ物やギフトのショップが並んでいます。何より私が気に入ったのは、外野にイスはなく、芝生に寝転んで野球観戦ができることです。気取った表現を許して頂けるなら、ベースボールの匂いがする球場です。

大谷選手の打球が外野席芝生を高々と越え、ダウンタウンに向かって放物線を描く。来シーズンはそんな光景を見ることができるかもしれません。

サクラメントのダウンタウン。奥の建物はカリフォルニア州会議事堂 image by:角谷剛

さらに素晴らしいのはアクセスです。サクラメントの市内中心部から球場まで歩いて行けるほどの近さなのです。周辺の治安もオークランドやロサンゼルスよりはるかに良さそうです。犯罪率の正確なデータは知りませんが、少なくとも私が宿泊していたダウンタウンのホテルから球場まで15分ほど歩く間に不安を覚えたことは一切ありませんでした。

サクラメントはサンフランシスコから鉄道や車で2時間ほど、ロサンゼルスからは飛行機で約1時間20分の位置にあります。

  •  image by:角谷剛
  • ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。
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角谷剛(かくたに・ごう) アメリカ・カリフォルニア在住。IT関連の会社員生活を25年送った後、趣味のスポーツがこうじてコーチ業に転身。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー部監督を務める。また、カリフォルニア州コンコルディア大学にて、コーチング及びスポーツ経営学の修士を取得している。著書に『大谷翔平を語らないで語る2018年のメジャーリーグ Kindle版』、『大人の部活―クロスフィットにはまる日々』(デザインエッグ社)がある。

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