Z世代が選ぶ2025年トレンド10選から見える、私たちの「今」

SNSを開けば次々と流れてくる新しい情報。気づけば「これ流行ってるよね」と友人と話題にしていたものが、いつの間にか過去のものになっている。そんな目まぐるしい変化の中で、2025年という一年を振り返ってみると、Z世代が何に心を動かされ、何を選んできたのかが見えてきます。

株式会社MERYが実施した「2025年のトレンドに関するアンケート」では、15歳〜29歳の男女1,000人を対象に、今年流行ったもの・ことについて調査が行われました。

その結果から浮かび上がってきたのは、単なる「流行」という言葉では片付けられない、Z世代の価値観や生き方そのものを映し出す鏡のような存在でした。それではチェックしていきましょう。

エンタメが記録を塗り替えた年。映画興行の歴史的快挙

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2025年を語る上で欠かせないのが、アニメーション映画の歴史的ヒットです。『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』は、全世界興行収入1,000億円を突破し、日本映画史上初の快挙を達成しました。さらに『劇場版チェンソーマン レゼ篇』も、当初の目標を大きく上回る約90億円に到達し、年内100億円突破も視野に入っています。

これらの数字が示しているのは、単に「アニメが人気」という表面的な事実ではありません。Z世代にとって、アニメーションは子どものころから親しんできた文化であり、世代を超えて共有できる共通言語なのかもしれません。

映画館に足を運び、同じ作品を観て感動を分かち合う体験は、“デジタルネイティブ”と呼ばれるZ世代が求める「リアルなつながり」の形でもあるのでしょう。

特に『チェンソーマン レゼ篇』の主題歌である米津玄師さんの「IRIS OUT」は、グローバルチャートで歴代最高週間再生数を記録し、YouTubeでの再生回数は9,200万回を超えました。音楽とアニメーションの融合が生み出す感動体験が、国境を越えて多くの人々の心を掴んだのです。

可愛いは国境を越える。キャラクターブームの背景

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ラブブ」という名前を聞いて、すぐにピンとくる人も多いのではないでしょうか。中国発のデザイナーズトイブランド「POP MART」から生まれたこのキャラクターは、SNSを通じて爆発的な人気を獲得しました。BLACKPINKのリサさんが愛用したことで火がつき、約2,200万円で落札されるプレミア品まで登場する社会現象となりました。

一方、大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」も、独特のデザインが話題を呼び、関連グッズは瞬く間に完売。万博終了後も人気は衰えることを知りません。


これらのキャラクターに共通するのは、従来の「可愛い」の概念を覆す、独特で個性的なデザインです。完璧に整った美しさよりも、少し不思議で、でもなぜか愛おしい。そんな「ちょっと変わってるけど、それがいい」という価値観が、Z世代の世代に深く根付いていることを物語っています。

音楽とミームが融合する新しい楽しみ方

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M!LKの『イイじゃん』は、2025年を代表する現象のひとつでした。「今日ビジュイイじゃん」というフレーズがミームとして広がり、SNS総再生数は10億回を突破。その勢いのまま、紅白歌合戦初出場という快挙を成し遂げました。

そして興味深いのは「エッホエッホ」です。2021年にオランダの写真家が公開したメンフクロウの赤ちゃんの写真が、2025年になって日本で爆発的にヒット。動画クリエイターが制作した「エッホエッホのうた」とともに、一大ブームとなりました。

これらに共通するのは、音楽やコンテンツを「聴く・観る」だけでなく、自分なりにアレンジして「使う・広げる」という楽しみ方です。流行は与えられるものではなく、Z世代のみなさん自身が参加し、創り上げていくもの。そんな新しい時代の楽しみ方が、確実に定着しているのです。


食のトレンドは健康志向と新しい刺激の融合

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2024年から続く麻辣湯ブームは、2025年にさらなる加速を見せました。専門店の増加やメディア露出の増加により、街中では行列を見かけることも珍しくありません。

韓国での流行を経て日本に上陸したこの料理が支持される背景には、SNS映えする見た目と、自分好みにカスタマイズできる楽しさがあります。

注目すべきは、単なる「辛いもの」ではなく、薬膳としての健康効果にも目が向けられている点です。美味しさだけでなく、体にとって良いものを選びたい。そんな私たちの価値観が、食のトレンドにも反映されているのです。

政治への関心の高まり。新しい時代のリーダーシップ

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2025年10月、高市早苗氏が日本史上初の女性総理大臣に就任したことは、歴史的な出来事でした。「馬車馬のように働く」という発言が話題を呼び、スピード感のある政策実行がZ世代から高い支持を集めています。SNSでは応援の声が数多く見られ、政治に対するZ世代の関心の高さを示しています。

従来「若者は政治に無関心」と言われてきました。しかし実際には、Z世代が自分たちの未来を真剣に考え、変化を求めているのです。SNSを通じて政治家との距離が近くなり、リアルタイムで意見を発信できる時代。この変化が、Z世代の政治参加を後押ししているのかもしれません。

エンタメの新星。オーディション番組から生まれた絆

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7人組ガールズグループ「HANA」は、オーディション番組『No No Girls』から誕生しました。ちゃんみなさんがプロデューサー、SKY-HIさんがエグゼクティブプロデューサーを務めたこの番組は、Z世代の間で大きな話題となり、デビュー前から注目を集めていました。

オーディション番組の魅力は、完成されたアイドルを応援するだけでなく、成長過程を一緒に見守れることです。失敗や挫折、努力の末に掴む成功。そのすべてを共有することで、ファンとの間に深い絆が生まれます。これは、完璧さよりもリアルさを求めるZ世代の価値観そのものなのかもしれません。

「2025年トレンド10選」の一覧はこちら

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