夏が3回もある?在住者だからこそ知るバングラデシュの魅力
南アジアに位置する国・バングラデシュ。あまり知らないという人もいるのではないでしょうか。私たちの住む国・日本には四季がありますが、バングラデシュは熱帯気候でなんと季節が6つもあるそうです!
暑いからこその魅力や日本とは違うお正月文化について、無料メルマガ「出たっきり邦人【アジア編】」でお話してくれています。
季節が6つもある国の気候は?
バングラデシュには季節が6つあり、インドのベンガル州(州都はコルカタ)を含めたベンガル語圏には独特の「ベンガル暦」が存在します。
感覚的に言うと、旧暦みたいなものでしょうか。お正月は4月14日。ベンガル暦1月1日の始まりです。季節は6つありますから、2カ月毎に季節が変わります。日本の古来の睦月、如月、弥生のように、ベンガル月にもボイシャキ、スラボン…と12の月名があります。
乾期と雨期という単純な季節ではありません。20年間住んで体感したので言えるのですが、1年を通して「暑い」「熱い」「蒸し暑い」「ちょっと涼しい」「案外寒い」などの微妙な季節の変化があります。この季節の変わり目は、西洋カレンダーとはやっぱり違うんです。
2019年4月14日は、1426年ボイシャキ月1日になります。日本の睦月、如月のように、ベンガル暦は、この地域の風土にあった12の月名がついています。この月名は難しくて私などはもちろんのこと、バングラデシュ人でも、とっさには出て来ないレベルです。「l」これも日本古来の月名と同じ。子供の名前に付けられる程度。普段使いではありません。
4月14日は宗教は関係なく、バングラデシュ国内、インドのベンガル州、世界中のベンガル人コミュニティでも盛大なお祭りが開催されます。日本でも賑やかにベンガル人たちが集まります。
厳しい暑さだからこその生活への影響
実は、年間を通して暑さが1番厳しいのが、このお正月。雨が降らないじりじりと焼けるような暑さを乗り越えなければなりません。この暑さはマンゴーが熟すのに必要な暑さで、ねっとりとした果肉になる大切な季節でもあります。
暑さ厳しいお正月の年のマンゴーは甘くなるのですが、私は今まで食べた中ではバングラデシュのマンゴーが世界一美味しいマンゴーだと思います。
ま、ダッカ在住のフィリピン人はフィリピン産が世界一、インド人はインド産が世界一と、言いますが、バングラデシュの果物は本当に美味しいです。個人的にはタイも捨てがたいのでが。マンゴーの種類の豊富さでは、やっぱりバングラデシュが1番です。
そして、熱帯の果物が熟すころ、市場からは次々と野菜が姿を消します。野菜の季節が終わっちゃうんです。キャベツ、カリフラワー、トマト、ニンジン、もう買いたくても探し回らなければ手に入りません。
でも、探し回ったって見つからないものもあります。自然に任せて季節ものをいただくのが理にかなっているでしょう。思いついて食べたいものや欲しいものが買えないということには慣れっこになりました。
だから、最近のスーパーで巻きの入ったレタスやキノコ類を見ると、ダッカも変わったなあと、しみじみしてしまいます。しかもこんな暑い時期、輸入品に決まっています。高くて手が出ないし、無理して買わなくてもまあ、いいか。
バングラデシュでのお正月の過ごし方
ベンガル新年のお正月でのドレスコードは、紅白を基本に、とにかく鮮やか。ベンガル料理の名物「水漬けご飯(ホントに冷めたお茶漬けの味)と魚」を食べて、もっぱら家でテレビ中継を見るのがわが家の定番になっています。ベンガル暦の1・2月は年で最も気温が高い時期。この暑い中パレードを見には行けません。
「シュヴォ・ノボ・ボルショー!」(Happy New Yearのベンガル語)という挨拶は4月14日しか使われません。1月1日の西洋カレンダーの新年には、Happy New Year!と、英語で挨拶します。お近くにベンガル人(バングラデシュ人とインドのベンガル人)がいたら、ぜひ「シュヴォ・ノボ・ボルショー」と挨拶してみてください。
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