世界に誇る日本遺産「八代地域」をめぐる注目スポット&絶品グルメ

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2021/12/31

文化庁がその地域に伝わる文化と伝統を讃え、制定を行う「日本遺産」。登録・指定が行われることで地域活性化に繋げ、受け継がれた風習や特色を海外にまで広く発信することを目的としています。

2020年、新たな日本遺産として登録が行われたのが「石工の郷」と名高い熊本県の「八代地域」です。名石工を数多く輩出し、石造りの名所が数多く残る八代エリアの魅力について、スポットとグルメの情報をご紹介します。

※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。

「めがね橋」を生み出した石工たちの街

阿蘇山の噴火により、大地に堆積された豊富な「石灰岩」や「凝灰岩」が残る八代地域。良質な石材の採掘が叶うことから、その石材をふんだんに活用して街の形成が行われてきました。

人々の生活基盤となる干拓事業や、交通の要所となる「めがね橋」の架設、「八代城」の石垣建設などを手掛けてきた八代地域の石工たちは、その経歴により技術が研ぎ澄まされ、同時に八代は「石工の郷」として進化。

全国的に「めがね橋」が築かれるにあたり、日本各地で八代地域の石工たちは大活躍。「神田万世橋」や「通潤橋」など、現在も残る名所の多くを八代地域の名石工たちが手掛け、完成させてきた背景も「日本遺産」認定への重要なキーポイントとなっています。

スポット1.白髪岳天然橋

image by:PR TIMES

アーチ橋の形状を持つ天然の岩盤「白髪岳天然橋」。東陽町五反田に位置する白髪岳の東麓にあり、およそ9万年前に発生した阿蘇の火砕流により堆積した「溶結凝灰岩」が浸食されて完成したものです。

自然が生み出したこの形状を見て、石工たちはあの「めがね橋」を架ける技術を生み出したといわれているほど、独創的で見事な自然の奇跡は圧巻。落石の恐れがありながらも、現在もしっかりとその姿を見ることができます。

スポット2.八代城跡

image by:PR TIMES

1619年、小西行長の命により築かれた「麦島城」が大地震で崩壊し、加藤正方が再建した「八代城」。かつては本丸に大天守と小天守、櫓が7棟存在し、全体の城郭に石灰岩が用いられていました。

1672年に大天守が雷により焼失したのち1870年に廃城を迎え、現在は市民公園となっている城跡。2014年には国の史跡に指定され、残っている天守台や本丸跡の石垣、堀などから八代の石工たちによる技術を感じることができます。


スポット3.石匠館

image by:PR TIMES

日本全国に「めがね橋」を建設してきた石工たちの偉業をいまに伝える「石匠館」。現在も21カ所もの石橋が残るという東陽町にある石工とめがね橋の専門博物館で、その功績や数多くの苦労などを知ることができます。

建築家の木島安史氏が設計を手掛けた建物は、空から見ると花びらのように見える美しい円形が特徴。めがね橋の建造でも使用された「凝灰岩」の壁面や丸屋根を見ることができ、石工たちの技術を実感できる見事なスポットです。

スポット4.水島

image by:PR TIMES

国の名勝であり、熊本県の指定名勝でもある無人島「水島」。かの『万葉集』で「尊い水の島」と詠われ、『日本書紀』では景行天皇の食事の際に天地の神へ祈りを捧げると水が涌き出たという記述が見られるほど、古くからの名スポットです。

石炭岩が産出される島で、採掘時の矢穴が残っているところも。非常に神秘的な全景は、まさにパワースポットというべき雰囲気がたっぷり。「龍神社」に隣接し、満潮時と干潮時でも違った光景を見ることができます。

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