なぜ海外で「チップ」が必要なのか?かつて日本にもあった心付け文化の世界史

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2023/02/01

海外の一部の国で支払いが求められる「チップ」の文化。あのチップ制度とは、どういった歴史があるのでしょう。

日本人には無関係に見えますが似たような文化が意外にも浸透していて、「心付け」というチップのような制度が現代にもわずかに残っています。

さらにかつて江戸時代から昭和まで日本には、チップに似た「茶代(ちゃだい)」という制度もありました。古典落語にも『茶代』という作品もあります。では、このチップ文化は、世界でどのように広まっていったのでしょうか?

※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。

なぜ北米で「チップ」が根付いている?

image by:Red Herring/Shutterstock.com

そもそも論として、現在チップを必要とする国はどのくらいあるのでしょうか?

三井住友カードのホームページ情報によれば、日本人旅行者の多い旅行先でいうと、「アメリカ」が代表例みたいです。もちろん、場合によっては渡した方がいい国として、ヨーロッパ諸国やインドが挙げられています。

大英游記(1908年)『杉村楚人冠』にも、「彼得堡(ペテルブルク)ばかり小うるさく酒手(チップ)を取らるる所はなし」などと描写されるようにに、もともとチップはヨーロッパの文化でした。こちらについては後述します。

しかし、現在では義務とまではいえない様子。日本の心付けに近い感覚ですね。中国・韓国・シンガポールの場合は、チップを全く不要としないとされています。

image by:Shutterstock.com

ニュージーランドもオーストラリアも、ヨーロッパ・日本と同じく、場合によっては気持ちで渡すケースがあっても、義務ではありません。義務に近い感覚でチップを求められる代表的な土地の代表例は「北米」といえそうですね。

確かに、アメリカと同じ北米の「カナダ」に取材に訪れたときも、ホテルやレストランなどではチップが必要でした。では、どうして北米には、これほどチップが伝統として根付いているのでしょうか?


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