なぜ寿司も一緒に? 地元で中華そばとして愛される「和歌山ラーメン」の魅力
全国各地にあるご当地ラーメン。その中でも圧倒的な存在感を持つ「和歌山ラーメン」は、地元で“中華そば”と呼ばれ、幅広い世代に人気を誇っています。
古くから地元で愛されてきた“中華そば”は、一般的に醤油ベース・豚骨醤油ベースの2種類に分けられ、前者は「車庫前系」、後者は「井出系」と呼ばれることが多いです。それ以外にも新しいタイプの独特のラーメンも増えています。さらにここ和歌山では大半の店のカウンターに早寿司(サバ寿司)が置かれ、しかもその代金は自己申告制という謎風習が全国から訪れたお客を驚かせているんだとか。
今回は実家が和歌山市内にあり、和歌山を知り尽くしたグルメライターがおすすめする“絶対にココは外せない”という厳選5店舗を紹介します。
和歌山中華そばの主流!「アロチ本家丸高」
和歌山の“中華そば”のルーツに関しては諸説ありますが、戦前から醤油を主体とするスープで親しまれたと言われています。
戦後には路面電車の拠点だった車庫周辺に屋台が軒を連ね「車庫前系」と呼ばれていたそうです。現在は路面電車どころか、その当時の名残もありませんが、その元祖の味を引き継ぐ店として知られているのが昭和15年創業の「アロチ本家丸高」です。
例えば人気のチャーシュー麺を注文すると、濃厚な茶系スープにたっぷりチャーシューがのってきます。アツアツのスープからは湯気が立ち上がり、豚骨と醤油の独特なニオイが包み込む。
その味は、見た目よりアッサリして食べやすいです。醤油の風味がしっかりしていますが、豚骨の旨みも混じりコクがあります。そして何よりどこか懐かしい。和歌山で中華そばを食べるなら絶対に外してはいけない名店です。
- アロチ本家丸高
- 和歌山県和歌山市友田町2-50
- 073-432-3313
- 定休日:月曜
- 営業時間:11:30~14:00/17:30~3:00 ※日曜は11:30~14:00
日本一に輝いたスープが自慢!「井出商店」
1998年元日に放映されたTVチャンピオン「日本一うまいラーメン決定戦」で優勝し、日本全国にご当地ラーメンブームの火付け役となったことで知られる「井出商店」は、和歌山でラーメンを語るなら絶対的な存在と言えるでしょう。
その味の特徴は“コク深くまろやか、後味あっさり” が特徴で、醤油と豚骨のバランスの絶妙さにあります。おすすめはチャーシューたっぷりの「特製中華そば」。
美味しさの秘訣は、昭和28年に創業して以来、常連さんがたくさん食べに来てくれた結果なのだそう。もともと澄んだ醤油味でしたが、長く煮込んだスープは月日と共に濃くなり、美味しさが増していることに気づいた店主は試行錯誤して自慢の味を完成させました。その後、同店は日本一の栄誉を手にしています。ジワッと身体に染み込む素朴さの中にある深みがたまらない。
ちなみに、和歌山で中華そばを食べる時は「早すし」を一緒に注文するのがおすすめ。これはサバ寿司。お店によってはテーブルに置いてあるので好きにとって食べて良いそうです。精算は自己申告制の後払いとなります。
中華そばに寿司って合うの?と思うかもしれませんが、ぜひ試してほしい。なぜなら相性は抜群だから。中華そばが到着する前に食べても良いですし、中華そばと一緒に食べても良いですよ。
- 和歌山中華そば 井出商店
- 和歌山県和歌山市田中町4丁目84
- 073-424-1689
- 定休日:木曜
- 営業時間:11:30~22:00
- ホームページ