日本大好き台湾人に聞いた、「日本旅行」で感じたリアルなホンネ
飛行機でおよそ3時間で到着することができ、海外旅行先としても大人気の台湾。親日国でもあることから、私たちにとっても非常に馴染みの深い国でもあります。台湾から日本への旅行客も多く、2023年には訪日台湾人観光客数が約420万人を記録しています。
そこで今回は、訪日経験のある台湾人に向け「日本旅行」について行われたアンケートをご紹介します。円安も影響し、一層の人気上昇が見られているという台湾からの日本旅行が博している人気のポイントはどこなのか、早速チェックしてみましょう。
台湾では中々見ることのできない景色も人気に。一層高まる台湾からの日本人気
日本観光庁が2023年に行った統計を見てみると、コロナ禍で落ち込んだ台湾から日本への旅行客数も9割ほど回復しているとのこと。さらに、同じく2023年の訪日台湾人が日本旅行で使った消費額は7,786億円で、この10年間で驚異の過去最高額を叩き出しています。
今回の調査では、なんと1回でも日本を訪れたことがある台湾人は48.5%にのぼっており、7.9%の人に至っては5回以上も訪日経験を持つリピーターということが判明。ツアー参加者は15.6%と少なめで、84.4%が自由度の高い個人旅行で日本を訪れています。
同行者について聞いてみると、55.7%で「家族」がトップという結果に。31.1%が「友人」、23.6%の旅行者が「一人旅」、15.5%が「カップル」での訪日でした。スマートフォンの普及により言葉のハードルも低くなり、同行者が誰でも快適な旅行ができているようです。
それでは、一体どのような場所が台湾からの旅行者に人気なのでしょうか。結果を見てみると、49.1%が「関東地方」、35.4%が「近畿地方」、21.2%が「九州地方」、18.4%が「北海道」となりました。
これまでも関東地方は台湾の旅行客から大きな人気を獲得していましたが、現在もその傾向は顕著であることが判明。台湾の方々にとっては、エンターテイメントからグルメ、ランドマーク的な観光スポットも多い東京は非常に魅力的なのかもしれません。
また月別の訪日数を見てみると、比較的「冬」の時期に訪れる人が多い模様。これまでは夏の旅行人気が高かったものの、冬の日本における多彩なイベントの魅力に気付きつつある人が多いといえそうです。
クリスマスシーズンはもちろんのこと、思いっきり日本らしさで彩られるお正月や、雪の降る中での雪遊びや温泉旅行、さらに春が近付いてきた桜の時期なども台湾の旅行者から大人気となっています。
続いて、日本を旅行する際の予算について見てみると、最も多くなったのは47.5%で5万新台湾ドル以下、39.2%で5~8万新台湾ドルという結果に。中には8~10万新台湾ドル以上で計画している旅行者も。
コロナ禍で海外旅行を自粛した反動や、円安による日本での為替レート影響により、旅行者の予算想定はさまざまに変化している中、日本を旅する上で1番の目的としていることについて聞くと1,141人で「日本の美食を堪能すること」が1位となりました。
続いて、2位は1,083人で「自然景観(雪、桜、紅葉)を楽しみたい」、3位は883人で「ショッピング」、4位は717人で「名所旧跡を見たい」、5位は668人で「円安の影響で物価が安くなったから」が並びました。
スマートフォンを利用することで、地域毎に評価が高いコアなレストランを見つけ出すことも容易になった現在は美食体験をするハードルも低めに。さらに円安効果が加わり、これまでも人気が高かった日本でのグルメ体験が目的の1位にまで上がったといえます。
また2位の「景色」についても、咲き誇る桜や一面の雪景色を簡単に見ることができない台湾の旅行客にとって、日本のそれが非常に大きな魅力として映っていることがわかります。史跡や名所と共に自然の景色を楽しむ人も増えているようです。
心地良く過ごせる下地がそろっているように思える台湾からの日本旅行ですが、もちろん不便に感じる点もある様子。「日本旅行で直面する問題」について聞いてみると、1位は568人で「コミュニケーションの問題:言語の壁」となりました。
2位は456人で「レストランの予約が難しい」、3位は398人で「荷物を預ける場所を探せなかった」、4位は374人で「交通機関が複雑で困った」、5位は268人で「電子決済の普及が不十分」という結果に。
特に4位の複雑な交通網、5位の普及しきっていない電子決済の2つは、台湾からの旅行客以外のインバウンド観光客からも多々困難として挙がる点であり、それぞれの店舗が取り入れやすい電子決済だけでも、さらなる普及を期待したいところです。
最後に行われた「2024年に台湾人が最も訪れたい日本の都市は?」という質問を見てみると、こちらでも664人で「関東地方」が1位となりました。2位は568人で「近畿地方」、3位は547人で「北海道地方」となり、両社はほぼ互角といった結果となっています。
4位は421人で「九州地方」が登場。さらに昨年からの変化として、これまであまり人気が見られなかった「東北地方」が407票を獲得し、四国・中国・沖縄地方を上回るという動きが見られました。
台湾からの旅行客にとって、とても魅力的だということがわかった今回の「台湾人に聞いた日本旅行」アンケート。2024年も増加すると考えられる旅行者の心理背景から、台湾での日本人気の高まりが感じられる結果となっています。