日本アニメがきっかけに。海外のオタクが取り入れる旅の楽しみ方
海外からの旅行者が日本を訪れる目的は、グルメや絶景だけではありません。いま多くの人にとって旅のきっかけになっているのが「日本のアニメ」です。
越境ECサービス「Buyee(バイイー)」を運営するBEENOS株式会社が、海外ユーザー554名にアニメの視聴について調査しました。その結果、98.0%が「アニメが好き」と回答し、その半数以上がアニメ全般ではなく「日本のアニメが好き」と答えていることがわかっています。
そこで本記事では、この調査データから海外ファンの視聴スタイルや人気作品を読み解いていきたいと思います。そのうえで、日本アニメが世界の人々を日本へ引き寄せる理由と、旅での楽しみ方を旅行者目線で紹介します。
アニメ好きの約5割は“日本の”アニメ好き

「アニメが好きですか」という質問に、98.0%が「好き」と答えました。そのうち50.4%は、アニメ全般ではなく「日本アニメが好き」と回答しています。「日本アニメが好き」と答えた割合を言語別に見ると、次のとおりです。
- 繁体字ユーザー:65.7%
- 韓国語ユーザー:58.1%
- 英語ユーザー:44.3%
英語圏よりも、日本に近いアジアの国や地域で、日本アニメへの親しみが強いことがわかります。
また、アニメが好きな理由は、次の3つが上位でした。これは前年の調査とほぼ同じ傾向です。
- ストーリー展開が面白いから:83.3%
- キャラクターが魅力的だから:79.3%
- 映像表現が素晴らしいから:70.7%
ほかの選択肢もすべて30%以上の支持を集めていることから、アニメを視聴することに対してさまざまな魅力を感じていることがうかがえます。「笑える」「リラックスできる」「人とのコミュニケーションのきっかけになる」など、日本アニメは海外ファンにとって日常には欠かせない存在なのかもしれませんね。
好きになったきっかけは「テレビ」。子どものころから続くアニメとの関係

いまは動画配信サービスでアニメを見る時代と思われがちです。ところが、アニメを好きになったきっかけで最も多かったのは「テレビ放送を見たから」(51.3%)でした。「動画視聴サイトで見たから」の31.7%を19.6ポイント上回っています。
世代別に見ると、10代~50代は若い世代ほど動画サイトの割合が高く、テレビの割合は低くなります。ただし60代以上では、動画サイトの割合がテレビを上回るという意外な結果も出ています。
「その他」の回答では「子どものころからアニメを見て育った」という声が多く見られました。海外の多くのファンにとって、日本アニメは幼いころから生活の一部だったことがうかがえます。
海外にも広まりつつある日本の「推し」文化

アニメを見る頻度は「週1〜2回」が24.2%で最も多く、「週3〜4日」が22.6%で続きます。「毎日見る」人は20.0%、「週5〜6日」は12.6%です。合わせると32.6%がほぼ毎日アニメを見ていることになり、前回調査の30.0%から2.6ポイント増えました。
2025年の視聴時間が前年より増えたかという質問には、55.6%が「はい」と答えており、言語別では韓国語ユーザーが62.2%で最も多くなっています。
視聴時間が増えた理由は次の2つが上位でした。
- 特定の作品をよく見たから:48.9%
- 推しが増えたから:47.4%
好きな作品やキャラクターに出会ったことで、視聴時間が伸びたと考えられます。日本のファン文化から生まれた「推し」という言葉は、海外でも徐々に浸透していっているのかもしれません。
また、繁体字ユーザーでは「新作アニメが増えたから」が42.7%でしたが、3言語の平均より10ポイント以上高く、新しい作品を追いかける熱心さが表れていますね。
海外ファンが愛する日本アニメランキング

2025年に見た日本アニメで一番好きな作品を自由回答で聞いたところ、496名から161作品もの名前が挙がりました。いかに多くの海外ファンが、多くの作品と出会っているのかがわかります。
そして、ランキング結果を見てみると、第1位に輝いたのは『葬送のフリーレン』でした。トップ10には最新の話題作が多くランクインしていますが、一方で、2025年に放送30周年を迎えた「新世紀エヴァンゲリオン」や「ONE PIECE」など、長く愛されている作品も上位に入っています。
10位以内には入ってこなかったものの、約50年前の作品である「科学忍者隊ガッチャマン」や「銀河鉄道999」を挙げた人もいました。話題の新作から昭和の名作まで、海外ファンは幅広い時代の作品を楽しんでいることがうかがえます。
こうした作品への愛着は、作品の舞台やモデル地を訪れる「聖地巡礼」や、関連する展示やイベントへの参加など、日本旅行の目的にもつながっています。
海外アニメとの比較で見える日本アニメの立ち位置

日本アニメがとても愛されていることがわかりましたが、とはいえ、海外にも人気のアニメは多くありますよね。そこで、日本以外のアニメも見るかを聞いてみたところ、なんと38.3%もの人が「日本アニメしか見ない」と回答しました。改めて、いかに日本アニメが人気なのかが実感させられる結果となりました。
ちなみに、ほかの国の作品も見る人では、制作国は次のとおりです。
- アメリカ:50.5%(2026年調査)/54.5%(2024年調査)
- 韓国:20.5%(2026年調査)/15.5%(2024年調査)
- 中国:18.0%(2026年調査)/19.3%(2024年調査)
- フランス:10.2%(2026年調査)/9.5%(2024年調査)
韓国・中国と、アジア圏のアニメが特に人気だということがわかりました。この2年間で、韓国アニメが中国アニメを追い抜いたことも明らかになっていますね。
そして、日本以外で最も好きなアニメ作品を聞くと、333名から268作品の回答がありました。
- 1位:アバター伝説の少年アン(アメリカ)
- 2位:時光代理人(中国)
- 3位:俺だけレベルアップな件(韓国)
3位の「俺だけレベルアップな件」は、日本のA-1 Picturesが制作していますが、原作が韓国のため韓国作品として受け止められているようです。この作品を除くと、上位10作品のうち6作品がアメリカ、3作品が中国の作品でした。
海外作品の人気が高まる中でも、「日本アニメしか見ない」ファンが約4割いることは注目に値します。日本アニメの独自の魅力が、根強く支持されている証拠と言えるでしょう。
見るだけでは終わらない。海外ファンの3つの楽しみ方

アニメを見る以外の楽しみ方では、「主題歌などのコンテンツを楽しむ」が80.2%、「フィギュアやキャラクターグッズを集める」が79.9%でした。3位以下にも、商品を買うことに関する回答が多く並びます。
1. グッズ収集は「日本で探す」ことに価値がある
送料や輸送の手間がかかる海外に住んでいても、グッズ集めは主題歌を聴くことと同じくらいの熱量で行われています。BEENOSの過去の調査では、アニメをきっかけにグッズを買った人は93%にのぼりました。
韓国語ユーザーは、グッズ収集とファン同士の交流の割合がほかの2言語より高くなっています。海外では手に入りにくい限定品や日本でしか出会えない商品を求めて、秋葉原、池袋、中野などのアニメショップを巡るのは、ファンにとって特別な旅の体験になるでしょう。
2. 音楽と作品を「持ち帰る」
主題歌などの音楽は、グッズを上回って最も多く挙げられました。英語ユーザーは「原作の購入」「メディアを所有する」「言語学習」「創作活動」「表現活動」の5項目で、3言語の中で最も高い割合になっています。
全項目の平均も40.2%と高く、視聴以外にもさまざまな形でアニメを楽しんでいることがわかります。原作漫画やCD、映像ソフトを日本で手に入れることは、作品をより深く味わうための大切な思い出になります。
3. アニメがきっかけの「旅行」
旅行者向けのデータとして特に注目したいのが、繁体字ユーザーの34.3%が「旅行」をアニメの楽しみ方に挙げたことです。3言語の平均より10ポイント以上高い数字です。
画面で見た街並みや風景を自分の目で確かめたいという気持ちは、国境を越えて日本を訪れる大きな原動力になっています。アニメと旅は、深く結びつき始めているのです。
海外ファンの声「日本アニメは人生の一部」
最後に、日本アニメへの思いを自由回答で聞いたところ、410件の声が集まりました。最も多かったのはストーリーや脚本の質への賞賛です。独自性や奥深さ、複雑な感情の描き方、哲学的で革新的なテーマなどが評価されています。
- 「動く芸術を描写する最も美しい方法の一つです」(ドイツ・10代男性)
- 「人生の一部です」(オーストラリア・30代女性)
- 「オタクとして生まれ、子供にオタクの血を引き継がせたので、子供が勧めてくれるものをよく見ます。世代を貫く力があると思う」(韓国・40代女性)
- 「ガンダムのすべてが大好きです。音楽、プラモデル、そしてアニメそのものも」(イギリス・50代男性)
「人生の一部」「アイデンティティのひとつ」と語るファンが多いことからも、日本アニメが世代を超えて人々の生き方に影響を与えていることがうかがえ、日本人としてとても誇らしい意見が集まっていますね。
海外作品との競争が進む中でも、日本アニメはストーリーやキャラクター、映像の美しさで世界のファンの心をつかみ続けています。アニメに出会った人たちが日本を訪れ、グッズを手に取り、作品の世界を肌で感じる。そんな流れが、いま世界中で生まれています。
国内旅行をするときは、アニメショップや作品ゆかりの場所にも足を運んでみては?世界中のファンと同じ熱気を感じることで、身近にあった日本アニメの魅力を改めて発見できるはずです。
- source:BEENOS(via PR TIMES)
- image by:Antonello Marangi/Shutterstock
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