東京にいながら、ジモト企業で働く。ジモトを離れジモトに貢献する仕事のかたち
地元を離れて得た経験を、地元に還元するシゴト。
U・I・Jターンをしたからといって、ずっとその地方に居続けるのは覚悟がいますよね。それに、いままで違う地方で経験してきた仕事内容を活かせる仕事に就けるかもわかりません。
そんな中、東京にいながらジモト企業である「北陸銀行」にて働く富山県出身の川南さんは「東京ですごした経験がある自分だからこそできる地元への貢献がある」と言います。富山、大阪、東京と転勤を重ね、地元を離れて働く川南さんだからこそできる貢献とは何なのでしょうか。
川南さんが働く「北陸銀行」は、国内に187の支店を展開している広域地銀。東京など首都圏を中心に広く支店を持っています。そんな、富山の企業でありながら働く場所は富山でない。東京の本部で採用を担当している川南さんにお話を聞きました。
地元に還元できる、外での活躍
――まず、「北陸銀行」について教えてください。
川南:「北陸銀行」はいわゆる地銀ですが、地元だけでなく、東京、大阪、名古屋を含む12都道府県に支店を構えています。そのため、北陸を基盤にしながらも、都市圏や海外でも働くことができるんです。様々な場所で自分の可能性を試すことができ、その結果を地元に還元できるという仕組みは、地銀の中でも珍しい特徴だと思います。
職種によって異動の範囲が異なり、総合職は海外を含め全拠点が対象になります。またエリア職という、自宅から通える範囲での拠点で働くことが出来る職種もあり、様々な働き方が選べるのも特徴です。
――日本国内だけではなく海外にも拠点が。地銀である「北陸銀行」さんが全国に支店をもつようになったきっかけは何でしょう?
川南:きっかけのひとつとして「富山の薬売り」が挙げられます。富山は、昔から薬の行商が盛んでした。行商で全国を旅する方々を行く先々でサポートするために、当行もネットワークを拡大していきました。
また北陸地域には、医薬領域の他にも金属機械や化学、繊維、ITなど、多様な産業が集積しており、そういった企業は北陸地域だけでなく都市部や海外も含め各地との取引があるので、その受け皿として「北陸銀行」もネットワークを広げていったのです。
――そうなると、お客様は富山の方だけではないということでしょうか。
川南:はい、北陸に拠点を構えるお客様はもちろんのこと、支店があるところすべてが「地元」といった感じです。また、北陸銀行の強みである幅広いネットワークを活かした「ビジネスマッチング」にも積極的に取り組んでおり、北陸地域のお客様と都市部のお客様のビジネスの架け橋となれるように日々活動しています。
例えば、東京のレストランが富山の新鮮な魚を仕入れたいという話があれば、富山のお客様をご紹介したり、大阪に出店したい富山のお客様がいたら、支店の情報網を生かして出店エリアを一緒に考えたりといった具合です。
各地域に支店をもっているからこそ、北陸のお客様と各地域のビジネスの架け橋になれるのが、「北陸銀行」ならではの魅力なんです。
――地元を大切にしながら、様々な場所でビジネスを生み出すことができる、と。
川南:そうですね。この時代、ビジネスは一つの地域だけで完結するものではないと思います。様々な地域での繋がりや情報・経験が新しいビジネスを生み出し、その結果を地元に還元できるというのは、銀行という業態ならではかもしれませんね。こうした「ビジネスマッチング」については、「北陸銀行」の中期経営計画にも掲げていて、今後、ますます力を入れていく予定です。
――地元以外の場所に住んでいたことの良さが活かせるのですね。
川南:そうなんです。地元以外の場所で生活していた経験を生かして働けるというのは、「北陸銀行」だからこその魅力かなと思います。例えば、同じ渋谷でもエリアによって大きく客層が異なりますよね。渋谷に出店をしたいという北陸のお客様に、事業内容を鑑みて客層に合った出店エリアをご提案することができるのは、これまでの経験があるからだと思います。
色々な可能性にチャレンジしつつ、いつかは地元に
――川南さんは現在東京にいらっしゃいますが、Uターン就職をご希望されていたのですか?
川南:もともと東京に出てみたくて、東京の大学へ進学しました。東京も魅力的だったんですが、就職活動の時に自身のライフプランを考えた際、いつかは「ジモト」の役に立てる仕事をしたいと考えるようになったんですね。ただ、卒業してすぐに地元に戻ってしまうのも寂しいなと。東京に出てきたこれまでの自分の経験が活かせなくなるのも嫌だったんです。
その時、「広域店舗網」という特徴をもつ「北陸銀行」に興味を持ちました。地元に軸足を置きつつ都市圏や海外でも活躍ができて、それが地元への還元にもなるという。心の半分は地元に戻りたいと思っていながら、まだ他にもチャレンジしてみたいことがある自分にはとても良い環境だと思いました。
そして実際に働いてみると、地元から離れた経験があるからこそ、富山や北陸のお客様にしっかりと向き合うこともできるんだと気づきました。地元愛というのでしょうか、富山が好きという気持ちがあれば、働く場所は関係ないのかもしれません。
富山と東京、住むならどっち?
――富山と東京、両方での生活経験のある川南さんにとって、富山の魅力とは?
川南:衣食住どれをとっても過ごしやすいところですね。富山県は「幸福度ランキング」の上位にも入っていますが、特に地元を離れたからこそ、そのことを強く感じています。就職活動時にはそこまで考えていませんでしたが、結婚して子供ができた今、子育てにもとても良い場所であると気づきました。自然もたくさんあり、心も身体も豊かに育つことができる場所だと思います。
また、富山県にいると気づかないのですが、普段東京で生活をしていると、身の回りに北陸の高い技術力やデザイン力から生まれたものが沢山あることに気づくんです。改めて客観的に富山県を見ると、誇りに思えることが沢山ありました。
――それは魅力的ですね。では、いざ富山に住もうとした場合、富山と東京の生活に違いはあったりするのでしょうか。
川南:人によると思いますが、そこまで大きな差は感じないかもしれません。北陸新幹線が開通したことでアクセスが良くなりましたし、インターネット環境にも不自由しないですし。ただ、衣食住を考えたり子供を育てたりと、人生の先を具体的に考えた時、自分にとって富山はやはりとても住みやすい場所なんですよ。物量ではない“豊かさ”がある場所だと思います。また最近では地方創生の動きも活発で、ますます魅力的なところになっていくんじゃないでしょうか。
――移住というと、地元からしばらく離れていたり、これまで縁がなかった場所に行くとなると、その土地になじめるかという不安を持つ方もいると思いますが…。
川南:実際、そんなことはないですよ。富山県以外の人との交流をはかろうとする優しい気持ちをもった人も多く、外に開かれた場所だなあと、富山県を離れてから気づきました。最初は恥ずかしがるかもしれませんが(笑)
地場の様々な産業と携われるという魅力
――それは安心ですね。そして、地元の外での体験も活かせると。
川南:そうですね。それまでの経験を活かしながら働けるのはとても魅力的だと思います。また銀行の特性として、様々な企業の方とお仕事をする機会があります。なかでも富山県は日本海側屈指の「ものづくり県」です。そういったお客様と直接関わることができるのは醍醐味であり、人間として学ぶことも多いんです。
UターンやIターンというのは、都会を離れるというイメージをもつ方も多いと思いますが、都会と地元の架け橋となったり、地元に貢献できる仕事に挑戦できるのも、UターンやIターンならではの魅力ではないでしょうか。
あなたの経験、富山で活かしてみませんか?
「北陸銀行」をはじめとした富山県の魅力的な企業が集まり、地元の人と移住・転職について直接お話ができる相談会が、2016年12月18日に東京・有楽町で行われます。
これまで地元を離れていたり、別の場所で暮らしてきた経験が、移住先でも活用できるチャンスがあるかもしれません。
移住するかしないかに関わらず、これからの生き方を考えるきっかけとして、12月18日に有楽町へ話を聞きに行ってみてはいかがでしょうか。
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