アマビエ、塗壁、山男…地元で語り継がれる伝説の妖怪たち

TRiP EDiTOR編集部
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2020/03/14

有名どころがそろった関東地方の妖怪たち

関東にも多種多様な妖怪が存在します。よく耳にする「ダイダラボッチ」や「九尾の狐」など、世間一般に広く知られた妖怪は関東に多いのかもしれません。

ダイダラボッチ/茨城

ダイダラボッチのイメージに近いものと考えられている「大入道」image by:パブリック・ドメイン, リンク

巨人「ダイダラボッチ」の伝説は日本各地で伝承され続けています。別名、「大太郎坊」、「でいだらぼっち」などとも呼ばれるこの妖怪は、山や湖沼を作ったという話が残っています。

特に、奈良時代に編さんされた常陸国(現在の茨城)の地誌『常陸国風土記(ひたちのくにふどき)』のダイダラボッチに関する記述は有名です。

ダイダラボウ像image by:photolibrary

ここでは、ダイダラボッチがハマグリを食べて、その貝殻が積もってできたのが、茨城県水戸市塩崎町の「大串貝塚」と伝承されています。こちらの貝塚は国の史跡にも指定されており、公園内には高さ15mもある「ダイダラボウ像」があります。

九尾の狐/栃木

中国で著された地理書「山海経」よりimage by:Unknown author / Public domain

九尾の狐(きゅうびのきつね)」は9本の尻尾を持つ狐の妖怪です。紀元前2世紀〜紀元3世紀に作られた、中国の古い地理書「山海経」には「九尾の狐」が描かれており、のちに日本に伝わったとされています。

インドや中国では、この狐妖が美女に化けて、国の滅亡を企んで、権力者に近づいたという伝承がされています。

日本では、平安時代に鳥羽上皇から寵愛を受けた、伝説の人物「玉藻前(たまものまえ)」が、この狐の妖怪とされています。

玉藻前。鳥山石燕著『今昔画図続百鬼』より。image by:Toriyama Sekien (鳥山石燕, Japanese, *1712, †1788) / Public domain

その伝承では、正体がばれたあとに、栃木県の那須高原で殺生石になったという逸話があります。この石の周辺は現在ではミステリースポットとして、観光名所になっています。

殺生石image by:photoAC

あやかし/千葉県

鳥山石燕『今昔百鬼拾遺』よりimage by:Toriyama Sekien (鳥山石燕, Japanese, *1712, †1788) / Public domain

海の上に現れる妖怪や怪異のことを「アヤカシ」と呼びます。地方によって、それは海蛇だったり、怪火であったり、幽霊船のことであったりと広い範囲で、これを「アヤカシ」というそうです。


千葉県の伝承では、船乗りが女に化けたアヤカシに遭遇、船にまとわりついたという伝承があります。

一つ目小僧/東京都

黄表紙における一つ目小僧image by:Kitao Masayoshi / Public domain

ご存じ、顔の真ん中に目がひとつ、坊主頭の子どもの姿をした「一つ目小僧」。突然現れては、人を驚かします。

さまざまな史料に一つ目小僧に関する記述がありますが、有名なのは東京の行商人の喜右衛門の話。

古びた家で鶉の代金を待っていると、子どもが現れ、床の間の掛け軸を巻き上げたり下ろしたりを繰り返し始めます。それを喜右衛門が注意をすると、パッと振り向いた子どもの顔には目が一つ。喜右衛門はショックで寝込んでしまったそうです。

一つ目小僧に遭遇したら、失神してしまいそうですよね!

次は中部の妖怪をご紹介します。ちょっと怖い、インパクトのある妖怪たちが…。

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