混浴ですけど大丈夫? 女性が学んだ混浴温泉の入り方「奥鬼怒温泉」編
山間の里に佇むひなびた感が最高! 燻し銀的存在感の「日光澤温泉」
さて、「加仁湯」からさらに奥へと歩くこと15分。奥鬼怒湿原や金精峠への登山道の入口となる山小屋が「日光澤温泉」です。
ひなびた風合いの木造の建物は、まるで戦前の小学校の校舎のようで、これぞ山奥の秘湯の名にふさわしい風情にあふれます。その佇まいからしてすでに秘湯感満載。
もちろん、野天気分たっぷりな温泉も素晴らしく、わざわざこの温泉に入るためだけに歩いてきたくなる温泉です。というか、歩いてきてからこそ味わえる感動というほうが正しいかもしれません。
日帰り温泉では露天のみ利用できるのですが、なんとにごり湯と透明の湯の2つの源泉があるのが嬉しいのです。
奥鬼怒温泉の中でもっとも秘湯感漂うこの温泉は、脱衣所も簡易なものがあるだけの男女共同で、正真正銘の混浴風呂。温泉に入りたいと宿の人に告げると、「混浴ですけど、本当に大丈夫ですか?」と必ず念を押されます(笑)。
簡易脱衣所のすぐわきに透明のお湯がなみなみとあふれる温泉があり、その下へ続く階段を降りるともうひとつにごり湯の温泉があるのです。
下のにごり湯に入っていると、上のお湯に誰かがやって来てもよくわからないので、脱衣所で他にも人が入っていることがわかったら「こんにちは、今から入りますね」と一言かけてあげるのがいいと思います。
以前ここの温泉で下のにごり湯に入っていたとき、若いカップルの男性のほうが「こんにちは。今から上の温泉に男一人、女一人入りますね」と声をかけてくれ、とてもマナーがよい方だなと感心しました。その後、下のにごり湯でそのカップルとご一緒しながら少し会話を楽しみ、こういうのも混浴の楽しみなのだなと教えてもらった気がします。
「日光澤温泉」は完全なる混浴なので、さすがに男性ばかり何人も入っているタイミングに女性ひとりでは入りづらく、行ってから様子を伺い入れそうだったら入るというスタンスになるのですが、「今は誰もいないよ」とか、「カップルが一組いるだけだから、今なら入りやすいよ」など、すでに温泉からあがってくつろいでいる方が親切に状況を教えてくれたりします。
山歩きではみなさん挨拶をするのが当たり前ですが、「日光澤温泉」の付近までくると温泉客もそんな感じ。こんな山奥まで歩いてやってくるのは、登山客か、相当な温泉好きのモノ好きと決まっているので、なんとなく互いに親近感が生まれるのかもしれませんね。
日光澤温泉
栃木県日光市川俣874
Tel:0288-96-0316
公式サイト