全員が60歳以上。シニア劇団「すずしろ」がNY公演を実現した奇跡

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2017/06/14

シニアが主役の劇団がほしい

劇団の発案者・秋田さんは、自身が60歳に近づくにつれて、60歳以上しか入れない劇団があれば面白いと考えるようになっていた。従来の劇団では、シニアが主役になれる機会がほとんどないからだ。

代表の秋田啓子さん

行動派の秋田さんは箕面市に掛け合い、市民講座の中にシニア対象の演劇講座を創ってもらった。講座が終わった時点で、劇団を立ちあげるという構想も持っていたので、倉本聰さんの富良野塾15期生だった倉田操さん(41歳)に声をかけ、指導者として迎えた。倉田さんは自分たちより若いが、自己満足で終わらないシニア劇団をめざすには、プロの指導が必要だと考えたのだ。

指導者の倉田操さん

募集を始めたら、応募多数で抽選に。「皆もこんなところを探してはってんわ!」と、嬉しかった。受講者もこう言った。「60歳以上と書いてあったから参加したの。これが若い人と一緒だったら、ようせん!」。2004年、シニア劇団「ずすしろ」が立ち上った。

稽古場は真剣そのもの
本格的な稽古が続く

入団資格は60歳から80歳代まで。やりたい人が入り、辞めたい人は辞めればいい。そして、全員が舞台に立つ。これがルールだ。

秋田さんは、アメリカでは文化庁や自治体から助成金をもらって運営しているシニア演劇団があることも紹介してくれた。アメリカにはシニアが元気に活動して暮らせば、医療費の削減になり、結果、高齢者向け予算も少なくてすむという考えがある。

だから、「私たちは自費でNYに来た」といったら、驚かれたそうだ。行政や自治体だけでなく、シニアマーケットに関心のある企業などは、もっとアクティブシニアへの支援を視野に入れてはどうなのだろうか。

劇団すずしろのブログ 

倉田操さんのブログ 


  • image by:劇団すずしろ 
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シニアライフアドバイザー。2000年から団塊・シニア世代のライフスタイルや動向を調査し、発信中。全国各地の自治体で「地域デビュー講座」の講師なども務める日々。当事者目線を重視しています。

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