女性の混浴デビューにぴったり。波の音まで聞こえる伊豆の混浴温泉
日本一の総檜大浴場「千人風呂」で溢れ出る自家源泉を満喫
下田からちょっと山側に入ったところに、蓮台寺温泉という静かな温泉郷があります。温泉宿が数軒並ぶだけの、下田の奥座敷と呼びたくなるようなどこかノルタルジックな雰囲気が魅力の温泉郷で、この蓮台寺温泉のすぐわきにある河内温泉の一軒宿が江戸時代後期から続くという純日本家屋の「金谷旅館」。
日本一の大きさを誇る総檜風呂「千人風呂」が自慢の150年の歴史を持つ老舗旅館です。温泉はもちろんですが、玄関や入口、廊下、休憩所など館内のいたるところに古きよき時代の日本がそのまま時計の針を止めたような姿にもほっと心が和む場所で、リピーターが多いのもうなずけます。
実は、何をかくそうわたしが混浴デビューを果たしたのもこの「千人風呂」でした。内湯といえども相当の広さがある「千人風呂」は、今思えば混浴デビューにはピッタリの温泉です。
初めて「千人風呂」に入る人は、まずその大きな大きな湯船に感動し、続いて“これぞ温泉”という風情あふれる総檜の浴場にしみじみと「あぁ、日本って最高!」と思うはず。
4つに区切られた浴槽は、熱めのお湯やぬる湯、そしてそれぞれ深さも異なる設計で、入る場所によって温度や入浴姿勢が色々と楽しめるようになっています。
女性がこの「千人風呂」を利用するには、女性用脱衣所にかかっている「千人風呂」の鍵を手に持ち、混浴へと続く扉を開けます。扉の向こうにさらにもう一枚扉があって、そこを開けるとそのまま湯に浸かるような形で「千人風呂」へ出ることができます。ちょっと面白い仕組みですよね。
でも、ほとんど湯に浸かったまま移動できるという感覚なので、あまり恥ずかしさはありません。しかも「千人風呂」は薄暗く、なおかつ湯煙りがもうもうと浴室内に立ちのぼっていたりするので、夜なんかは正直よく見えないかも。女性の声がしてはじめて女性が入っていることがわかるような感じです。
小さいながら露天もあり、そこへも湯船の中から移動できるので、涼みながらゆっくりお湯につかりたい人はそちらへどうぞ。
ちなみに、女性用のお湯もほとんどこの「千人風呂」と同じ作り。ふたまわりくらい小さなサイズですが。混浴と比べて小さいとはいえ、普通に考えてじゅうぶんに広く、女性用の総檜風呂としては国内最大サイズだとか。
しかも、最近まで知らなかったのですが、ここは人に迷惑をかけない範囲でなら泳いでいい温泉なんだそう。そんなルールがあったとはまったく知らず、いつも人がいないときにこっそり泳いでいたのですが(笑)。これからは、他に人がいても堂々と泳ぎたいと思います。
河内温泉のやわらかな優しいお湯は長湯好きにはぴったり。何度でも繰り返し入るたくなるお湯であることと、ノスタルジックな風情が素晴らしく、下田へ行くたびに立ち寄りたくなる温泉です。
金谷旅館
静岡県下田市河内114-2
Tel: 0558-22-0325
公式サイト