外国人が殺到する城崎温泉、どうやって訪日観光客を36倍に伸ばしたか?
外国人に人気の「城崎温泉」の魅力とは?
人気になったきっかけ1:海外有名ガイドブック
城崎温泉はなぜこれほど訪日外国人旅行客に人気なのでしょうか。
今回、城崎温泉のある豊岡市役所 大交流課に外国人をジモトに呼ぶ秘訣を聞いてみました。
まず人気がでた理由の一つには、近年、海外メディアやガイドブック取り上げられたことによって注目され始めたことがきっかけだったようです。
「2007年にガイドブック『ロンリープラネット(Lonely Planet Japan)』 に「Best Onsen Town」として城崎が紹介されました。また、2012年には『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン(Michelin Green Guide Japon)』に城崎が二つ星で紹介されています。それらのガイドブックで城崎を知り、訪れた外国人がSNS等による口コミを広めることで、その家族、友人、知人が訪れるきっかけにつながっていると考えます」(豊岡市役所 大交流課)
外国人観光客の多くが利用している、海外で人気のガイドブックのロンリープラネットで紹介されたあとも、2015年には英紙インディペンデントで「日本の城崎温泉:温泉とズワイガニの町へ旅」といったタイトルで特集が組まれています。
人気になったきっかけ2:市が積極的にPR!英仏版の宿泊サイトで発信
image by:Visit Kinosaki
また、注目すべきは豊岡市が運営する宿泊予約サイト「Visit Kinosaki」。「京都から2.5時間の温泉街」がキャッチフレーズで、英語版とフランス語版があり、宿泊先の予約から城崎温泉の歴史まで情報を発信しています。
こちらも訪日外国人観光客数を多く引き寄せるポイントとなったようです。またフェイスブック、ツイッター、インスタグラム、YoutubeといったSNSを通じて城崎温泉の魅力を発信しています。
この他にも、豊岡市は、「海外旅行博への出展」や「アメリカ、オーストラリア、フランスへのレップ(海外情報発信拠点)の設置」など海外活動におけるPRも積極的に行っています。
また、英語対応のスタッフ、無料のWi-Fiサービスなど、外国人向けのおもてなしを充実させています。
人気になったきっかけ3:古き良き日本を体験
こちらの温泉地は約1300年前の奈良時代からの歴史があります。当山の開山上人でもあられる道智上人が千日修行を行った際について湧出したことが城崎温泉のはじまりと言われています。
「温泉で傷跡を癒すコウノトリを見た村人が発見した」という言い伝えもあるのだとか。
古い歴史ある温泉街だけに、日本ならではの懐かしい風景を楽しめる場所。私たち日本人にとっても、どこか懐かしい、風情を感じる温泉街ですが、外国人にとっては、とても日本的であり、自分たちの文化にはない神秘性を感じるのではないでしょうか。
また、名物の「七つの外湯」が最大の魅力でしょう。
ご存じの通り、外湯とは公共温泉のこと。宿泊施設をともわない、外湯(そとゆ)とは公共浴場のこと。一説によると、城崎温泉こそが外湯の発祥地だとか。
城崎温泉宿泊者の特典には、すべての湯を無料でまわることができる特典もついています。また、宿泊者以外なら、城崎温泉外湯めぐり券「ゆめぱ」を使えば、宿泊しなくても、大人1,200円、小人600円で1日入りたい放題。
また、浴衣を着用して、町中を歩くことも可能です。日本ならではの体験ということもあり、浴衣選びをする外国人観光客も増えています。
外国人観光客を惹きつける、「七つの外湯」を見ていきましょう。