外国人が殺到する城崎温泉、どうやって訪日観光客を36倍に伸ばしたか?
温泉大国の日本は数多くの温泉地が点在しています。このほかにも、外国人の客足が増えたという人気の温泉地3つを紹介します。
三宮から30分で便利!有馬温泉(兵庫県)
2015年に初めて訪日外国人観光客数が100万人を超えた神戸市。外国人旅行客が増えつつある神戸ですが、中でも人気があるのは、灘五郷や異人館、そして、有馬温泉。
国土交通省によると、以前は少なかったのですが、2014年の秋頃からアジアからの外国人旅行者が増加し、2015年は年間を通じて、温泉街に外国人旅行者がみられるようになったそうです。
知名度が高まったことや、三宮から30分、京都から1時間10分、大阪から1時間というアクセスの良さなどで、人気を高める要因かもしれません。
休日出勤の振替を取り、久々に日帰りで有馬温泉。金泉・銀泉にまみれてリフレッシュ! それにしても、温泉街も湯船も外国人だらけ。日本人に出会う方が難しい。 pic.twitter.com/Pd0ml5kgDN
— Mr.かてお (@kateo_mr) 2017年5月24日
3分の1が外国人? 北海道・登別温泉
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鬼とクマがシンボルの北海道・登別にある「登別温泉」。「にっぽんの温泉100選」の総合ランキングに毎回上位にランクインされる日本有数の温泉地として知られています。
登別温泉最大の源泉は、支笏洞爺国立公園の特別保護地区に指定されている「地獄谷」。煮えたぎる温泉を地獄に見立てつけられた名前がインパクト大ですね。泉質の種類も9種類。
札幌の中心部から1時間40分で行ける、登別には近年外国人旅行客が増えているそうで、外国人が3分の1を占めるという状態にまでなっているとか。
先日も第54回目を迎える「登別地獄まつり」が開催され、多くの観光客が参加しました。
アメリカの有名誌でも紹介!宝川温泉(群馬県)
富裕層の向けの米国のマガジン「AFARマガジン」が「世界にある夢のような温泉 11選」という記事の中で、世界の有名な温泉とともに取り上げたのは、「宝川温泉」。
「日本武尊(やまとたけるのみこと)が武尊山に上り、病に伏せって困っていると、白い鷹が飛び立つのを見つけ、そこへ行ってみると温泉が湧いてきた」という神話を用いて紹介しています。
城崎温泉と同様に宝川温泉も「ロンリープラネット」で「ベストな温泉」として紹介されたことをきっかけに評判が広まりました。
Sporting my #yukata It was hard to leave #takaragawaonsen. It was a great experience. #japan #travel #amazing #escape #awesome #beautiful pic.twitter.com/1AwBhliYBX
— Randy Higa (@RANMAXX) 2017年9月4日
「宝川温泉から離れるのがつらいよ」
以上、外国人旅行客が増えている温泉地を中心に紹介しました。
余談ですが、約10年前、外国人の留学生たちと温泉地へ旅行する機会がありました。その時、あるフランス人の女の子がはじめて「温泉」の存在を知り、「えっ??みんなで裸になってお風呂に入るの!?信じられない!」と恥ずかしそうに顔を赤くしていて驚いていた表情がいまだに忘れられません。
その女の子が顔を赤らめてしまうほど、海外の人、特に欧米人にとっては日本の「温泉」というものはまさに「異文化体験」であったのだと思います。(海外でも温泉はありますが、水着を着用する場所が多いようですね)
そして、時を経て、今、欧米やアジアから温泉に入りに旅行客が訪れます。少し前までは、日本文化独特のものと認識されていた温泉を海外の人が楽しむ時代となりました。
それは温泉だけではなく、花見や紅葉なども同じで、日本の文化を体験したい旅行者が確実に増えています。
地方にはまだまだ知られていない「地方だからできる体験」が眠っていることでしょう。これをどのように旅行者に知ってもらい、来てもらうかが、今後重要になってくるのではないでしょうか。
- 取材協力:豊岡市
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