レモン=黄色は大間違い!魅力が再認識される岩城島「青いレモン」
本州の広島県尾道と四国・愛媛県今治をつなぐ「しまなみ海道」は、向島・因島・生口島・大三島・伯方島・大島などを結ぶ全長59.4kmの高速道路です。
歩行者や自転車用の専用道が設けられているので、ウォーキングやポタリングが楽しめるとして人気です。そんなしまなみ海道の旅は、途中下車してさらに船に乗って裏しまなみの島々を訪ねるという楽しみもあり、行く度に新たな発見がある場所。
そんな裏しまなみの島のひとつである岩城島で出会ったのが、「青いレモン」です。
レモン=黄色は大間違い!? 「国産レモン」の魅力再び
「青いレモン? 普通、レモンって黄色だよね?」と首を傾げている人も少なくないと思います。そもそも、レモンの実は緑色だということをご存知でしょうか?
レモンの木は、熟すと緑色の実を結び、その実が成熟するごとにだんだんと色が薄くなり、最後にようやく黄色へと変わるのです。
といっても、ひと昔前までは、スーパーや八百屋に並ぶレモンのほとんどが輸入レモン。日本に入ってくるまでに完全に熟されて黄色くなったものしか目にしないのですから、当然、レモン=黄色という思い込みが生まれても不思議ではありません。
レモンの輸入が自由化される1964年以前は、日本でも多くの農家がレモンを栽培していました。レモン農家のほとんどが小さな家族経営だったので、海外から大量に安価な価格でレモンが入るようになると、割高な国産レモンでは太刀打ちできなくなり、栽培を断念せざるをえない状況に追い込まれたのです。
ところが、近年世界的なオーガニックやナチュラルフードブームにより、日本人の「食」へ対する意識も一気に高まり、時代がより安全な食を求めるようになるとともに、レモンをめぐる状況にも変化が見られています。ここ数年で、スーパーの棚にもごく当たり前に「国産レモン」が並ぶようになりました。
先にご紹介した通り、輸入レモンは輸送時間の影響で色が変わるだけでなく、輸送中の腐敗を防ぐため必須とされる防腐剤も、日本では使用禁止とされているような強い薬が使われることも多く、しばしば問題視されています。
また、栽培時にどんな殺虫剤や化学肥料が使われているのかよくわからないという不安もあります。
それに対して、国産レモンは食べ頃の摘んでからすぐのタイミングで出荷できるので、防腐剤やワックスを使用せずに消費者の手に届けられます。
加えて、作り手の顔がちゃんと見えるというのもポイントで、この信頼性と、輸入レモンにはない風味の豊かさが国産レモンの魅力で、徐々に支持が高まってきているというわけです。