オムレツでまさかの町おこし。なぜ和歌山「はしもとオムレツ」は成功できたか

Array
2018/04/04

オムレツをもちもち生地のクレープで

そのうちの一軒、「はしもとオムレツ」第一号認定店となったのが「マロンカフェ」。ご主人の土井秀行さん(61歳)は32年ものキャリアをいだくベテランのクレープ職人。

向かって左:「マロンカフェ」のオーナーシェフ土井秀行さん 右:妻の千弓さん

土井さんが焼くのはオムレツのクレープ「オムクレ」(450円 税別)。クレープ生地にオムレツをはさみ、恋野マッシュルームを和えた特製ソースでいただきます。牛乳たっぷりなもっちもちの生地とオムレツの相性のよさは、過去になかったのが不思議なほど。やさし~い味わいのおやつです。自家焙煎の香り豊かなアイスコーヒーにぴったり。

マッシュルームソースがたっぷり。注文が入るたびに焼くアツアツのオムレツ
もちもちのクレープ生地で巻いたオムレツ。自家焙煎のコーヒーと絶妙にマッチ

土井「新しいクレープがつくれないものだろうかと悩んでいたちょうどそのとき、市長が『オムレツでの町おこしを推進したい』と語っている記事を新聞で読みました。『そうや! オムレツがあるやないか!』と思って、すぐに商工会に電話し、一番目に登録しました」

そうして土井さんはクレープに巻くことで“オムレツの食べ歩き”という新しいスタイルをうみだしたのです。現在は推進協議会の会長をつとめておられます。

マロンカフェ

和歌山県橋本市妻2丁目2番25号

スーパーセンターオークワ橋本店内

0736-25-6670


9:00~22:00

定休日 無休

オムレツがメインのフルコース料理

続いて紹介するのは、宴会などに多く利用される「ラポール橋本 商工会館」。こちらでは2年前からなんと「オムレツのフルコース」がいただけるのです。

「オムレツがメイン」のフルコース。サイドメニューがお肉という贅沢さ

オムレツを中心に、不定期にかわるお肉や魚がサイドメニューに。主従逆転というか。取材した日のサイドメニューはボリュームたっぷりなスペアリブでした。ときにはステーキがオムレツの脇に従えることもあるのだとか。さらにスープ、サラダ、デザート、ドリンクがついてお値段なんと1,500円!(税別 予約制)。コスパのよさにのけぞりそう。

オムレツがメインでお肉がサブ。バイプレイヤーが主演を果たしたようなこのコースメニューを考案したのはシェフ歴40年の清水良一さん(59歳)。「ホテルJALシティ松山」の料理長をつとめるなど数々の有名ホテルで腕を磨いた名匠です。

ホテルの料理長をつとめたシェフの清水良一さん

清水「オムレツがメインとなるコースってこれまでなかったので、橋本産の『ひねどり』のミンチでソースをつくるなど工夫をしました。サイドメニューだけではなくソースも旬の素材を使って変化させていきますので、何度いらしても違う味を楽しんでいただけます」

いただいたオムレツは、凛とした正統派ホテル仕様。塩こしょうと生クリームのみで撹拌されたシンプルでスマートなオムレツに背筋が伸びる想いがします。火の通し具合の絶妙さにうっとり。味つけがあっさりしているため橋本たまごの味の奥行きをいっそう堪能できます。

ラポール橋本 商工会館

和歌山県橋本市市脇1丁目3-18

0736-34-2241

9:30~22:00(L.O.21:00)

https://www.rapport-hasimoto.com/

いま読まれてます
 大阪 おじさん、頭にコケが!? 岸和田市で環境緑化に取り組む「苔おじさん」 ★ 338
 全国 なぜ島根が1位?外国人観光客に人気の旅行エリアランキング ★ 2017
 大阪 店主がツッコミ待ち。「かぶりもの」で買い物客をもてなす大阪の「笑」店街 ★ 214
 兵庫 玉ねぎで島を盛り上げたい。淡路島の「おっタマげ」な活動が話題 ★ 303
 大阪 いったいなぜ?「カレーパンで町おこし」をする東大阪市へ行ってきた ★ 555
 全国 【続】地元出身者をイラッとさせる、言ってはいけない一言シリーズ ★ 1023
エアトリ 100%、ピュアです。初体験が詰まった「ニュージーランド旅」が最高な理由
オムレツでまさかの町おこし。なぜ和歌山「はしもとオムレツ」は成功できたか
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
TRiP EDiTORの最新情報をお届け
TRiPEDiTORオフィシャルメルマガ登録
TRiP EDiTORの最新記事が水・土で届きます