マラソン×ピクニックで、東日本大震災・被災地の“いま”を巡る
東松島、石巻、そして女川…震災復興のいまを知る
コース上は良く周囲を見ていると、至るところに津波浸水区間の看板があります。そのほか、津波の到達位置を示すものなども見られ、それだけで当時メディアで目にした光景が頭に浮かびました。
特に松島以降は大きな被害を受けた場所を通るため、コースも多くが工事中の道路。少しずつ整備が進められ、しかし、まだ復興作業は途中なのだということを思い知らされます。あまりメディアでも取り上げられることがなくなりましたが、まだ現地では復興真っ最中なのです。
東松島市には、津波以後そのままの姿で残された駅のホームがありました。こちらは「旧・野蒜駅」で、現在は「東松島市震災復興伝承館」が建てられていました。ちなみに現在の野蒜駅は海から離れ、少し高台に新しく設けられています。
伝承館では当時の映像やパネルなどの展示が見られます。ゴール後に話を聞いたところ、こちらはかなり多くのランナーが訪れていたようです。1階がコンビニエンスストアということもあり、休憩がてら寄り道するのにちょうどよかったのかもしれません。
映像や展示を通じて津波の凄まじさを改めて痛感すると共に、走って通ってきた道を思い出し、「それでも着実に復興へと向かっているのだ」と認識しました。
ちなみに東松島を過ぎて残り15kmほどの地点である石巻には、仮面ライダーなど漫画家・石ノ森章太郎の描いたキャラクターがたくさん!コースから少しはずれますが、石巻駅もキャラクター達でにぎやかです。
漫画ミュージアム「石ノ森萬画館」もコースすぐの場所にあり、異様な形状が目を引きます。漫画好き、石ノ森章太郎ファンにはたまらないスポット、やはり館内に立ち寄ったランナーもいました。
そして、ゴールの女川へと到着。辺りはすっかり暗くなっていました。女川駅前はたくさんの店舗が立ち並び、とてもキレイに整備されています。震災では大規模な被害を受けましたが、現在は震災復興のトップランナーとして、急速に復興作業が進められています。
しかし駅前こそキレイなものの、少し離れれば未整備の土地や更地などがたくさん。工事車両もたくさん見られました。ちなみに大会の少し前、やっと役場が新しく建ったそうです。
女川駅には温泉が併設されており、ゴール後はこちらで汗を流します。さらにお風呂の後は、ランナーとスタッフが集まって打ち上げ!こうした人と人との交流も、あまりマラソン大会では目にしない光景でしょう。
皆さん美味しいお寿司とお酒を楽しみながら、走ってきたコースなどの話で盛り上がっていました。
走りながらその地域を見て回り、思い思いの楽しみ方でゴールを目指すマラニック。仙台から女川への道中では、つい足を止めて見入ってしまうような絶景、清々しく気持ちいい自然、そして震災復興のいまとの出会いがありました。
ちなみにレース後は女川に1泊。なんとなく目が覚めて海へ歩いてみると、美しい日の出に出会えたのも素晴らしい体験です。
復興作業はいまもなお進められており、きっと次回参加した際には、目にする光景が変わっている場所は多いことでしょう。それもまた、このマラニックに参加する楽しみであり、意義なのかもしれません。
2019年の開催については検討中のようですが、ご興味ある方は、ぜひホームページなどで情報をチェックしてみてください。
- 仙女ウルトラマラニック
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