デキる大人は知っている。いまさら聞けない「バー」入門講座
バーの「チャーム」ってどういう意味?
バーのサービス料とテーブルチャージの違いは分かりましたが、バーで出されるチャームと呼ばれる食べ物は、何なのでしょうか?日本の居酒屋には「お通し」という制度があって、頼まなくても有料の食べ物が配膳されます。
その点を不満に感じる一部の利用者が、最近は「お通しカット」などの手にも打って出ていますが、バーで出されるチャームもお通しと同じなのでしょうか?
「居酒屋のお通しとバーのチャームは似ていますが、実際は異なります。まず、原則として全てのバーがチャームを出しているわけではありません。ホテルのバーには基本的にチャームはありませんし、町場のバーでも、テーブルチャージの有無に関係なく、チャームを出していないお店もあります。
一方で、チャームを出す町場のバーは、テーブルチャージに対するお返しという気持ちでチャームを提供するケースが一般的です。つまり、居酒屋のお通しと異なり、バーのチャーム自体は基本的にお代をいただきません」
チャームは全てのバーが出しているわけではなく、出しているお店もサービスの気持ちで出しているとの話。メニューはお店によってスナック菓子であったり、ビーフジャーキーであったりと異なると言いますが、お通しと違って料金の請求は通常であれば発生しないのですね。
そもそも何でテーブルチャージがあるの?
サービス料とテーブルチャージの違い、お通しとチャームの違いを大まかにまとめてきましたが、そもそもどうしてテーブルチャージという料金が存在しているのでしょうか。その点を聞いてみると、
「あくまでも一般的な話になりますが、テーブルチャージのあるお店は、店舗設計から内装、調度類、グラス類、客席同士のスペース、もちろん清潔感に至るまで、空間の演出と維持に相当な力を入れているケースがほとんどです」
との話がありました。利用者の側から見れば、快適な空間の一部占有に対して、費用を払うイメージなのかもしれませんね。似たような話として、空港の有料ラウンジなどが挙げられるかもしれません。
ソファが上質で、利用できる人の数が限られているので静かで落ち着いていて、旅の途中の待ち時間には最適の空間になっています。逆に考えるとテーブルチャージが発生するお店は、それだけ空間づくりと維持に予算と労力を割いている証拠だと言えるのですね。
以上、大人のバー入門として、テーブルチャージとサービス料の違い、さらにはチャームについて情報を現役バーテンダーに聞いてきましたが、いかがでしたでしょうか。
ホテルのバーと町場のバーで発生する料金の種類が異なり、同じ町場のバーでもテーブルチャージが発生するお店としないお店に分かれると紹介しました。
チャームについても出すお店、出さないお店があるものの、出すお店もチャーム自体は無料で出しているケースが一般的だという話。なんとなく理解できましたか?みなさんもバーを訪れた際は、今回ご紹介した内容を思い出してみてくださいね。
- 取材協力
- 小久保直人…1980年埼玉県川越市生まれ。東京ステーションホテルなどホテルでのバーテンダー業務を15年以上経験し、川越市に『Bar Hoskey』をオープン。同店オーナー。
image by:Maksim Fesenko/Shutterstock.com
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