紙、流さないで!日本人が海外でやりがちな「トイレ」でのNG行動
トイレは隙間だらけ?/アメリカ
アメリカ旅行で多くの日本人が戸惑う瞬間は、トイレの個室が完全に「個室化」されていない点のはず。
アメリカのトイレは扉と壁のすき間がとても大きく作られており、いくらでも外からのぞける設計になっています。
日本トイレ協会編『世界の公共トイレ事情』(地域交流センター)という1989年に出版された書籍にも、
<アメリカのトイレのドアは日本に比べて面積が少なく、足元と頭上が見えるようになっています。たぶんこれは犯罪防止のためでしょう。日本はトイレのドアで中を完全に見えないようにしていますが、これはきっと「恥の文化」に由来している>(上述の書籍より引用)
というアメリカ人の言葉が紹介されています。
「恥の文化」とはまさにその通りで、アメリカのトイレに入ると誰もが音など気にせず、勢いに任せて排せつしていると容易に察せられます。
もちろん、トイレ用擬音装置も見かけません。音を気にして排せつに時間がかかるくらいなら、さっさと済ませて次の人に譲った方が、喜ばれるに違いありませんね。
また、アメリカの一般家庭では日本と同じような小さいロールのトイレットペーパーですが、多くの公共トイレでは大きなロール紙がセットされています。この大きなロール紙、慣れるまではちょっぴり使いにくいのです。
トイレットペーパーが横向きにつけられているため紙を取ろうとすると紐状に細くなってしまうのです。
さらに綺麗に切れないため、フォルダーからびろびろとした余りの紙が出てしまいます。
こればかりは仕方がないことなのですが、日本のトイレはトイレットペーパーのフォルダーにまで使いやすさが反映されているのだと思えますね。
音消しで流すのは絶対NG/オーストラリア
日本のトイレには、前述のように排せつ時の音消しに最適なトイレ用擬音装置がありますよね。
音消しに水を流すのは女性だけと思う方もいるかもしれませんが、TOTO(福岡県)のホームページ上には『働く男性20~60代の外出先トイレに関する意識調査』(2007年)の結果が公開されています。
その結果によると、約4割の男性が外出先の大便器ブースで水を2回以上、音消しのために流した経験があると言います。
最近では男性トイレにも「音姫」が設置されており、節水対策にも一役買っているようですね。
しかし、オーストラリアを訪れた際は、トイレ用擬音装置が設置されていなくても、音消しのための水は流さないようにしましょう。
慢性的な水不足を克服しようとさまざまな努力に取り組むオーストラリア。
シャワーの使い方にも注意がありますし、食器洗いも洗剤の泡をそれほど流さずに終えてしまう習慣が現地にはあります。
オーストラリアのホームステイ先で音消しに水を何度も流したら、ホストマザーに怒られたという経験を持つ日本人女性を筆者は知っています。
オーストラリアは本土の多くが砂漠でできており、気候もカラッと乾燥しています。また年間を通して降水量が少ないため、慢性的な水不足を引き起こしているのです。
オーストラリアでは「シャワーは5分」といわれるように、水に対する意識が日本とは異なります。日本にいる感覚で1回の排せつに2回も3回も水を流すのは、とてももったいないことですよね。
もちろんオーストラリアだけでなく水はとても大切な資源ですので、なるべく節水を意識して、トイレの水も大切に使用しましょう。