松尾芭蕉も愛した加賀の名湯。渓谷美に心奪われる「山中温泉」
年間約6万6,000人が訪れる、山中温泉の総湯
山中温泉の魅力は、温泉の泉質にも見られます。地元の新聞社である北國新聞社が出版した『これが新しい温泉の選び方 新 名湯図鑑』によれば、源泉数は7カ所で、お湯の湧出量は毎分約2,027リットル。
その豊富なお湯を使った共同浴場が2軒、男女別棟で山中温泉総湯「菊の湯」(おとこ湯、おんな湯)として用意されています。
加賀市の情報によれば、年間およそ6万6,000人ほどが利用する人気の総湯となっています。男湯は特に緑青色の瓦ぶきの屋根が印象的な建物の中にあります。
お風呂おけを小脇に抱えて訪れる入浴客の姿は風情たっぷり。入ると立った状態で腰までお湯が来る、深い浴槽が楽しいです。
お湯は無色透明でくせがなく、少しとろみがあって、湯上りは芯から温まります。飲泉も可、言い換えればお湯を飲んでも大丈夫で、菊の湯(おとこ湯)の目の前にはお湯を口にできる場所が設けられています。
立札によると慢性便秘にも効くとされているのだとか。その手のトラブルが気になる人は、注意事項を守りつつ、口にしてみるといいかもしれませんね。
大聖寺川沿いで鶴仙渓の眺めを満喫できる「吉祥やまなか」や「花つばき」(2017年1月4日よりリニューアルに伴う工事で休館中)の露天風呂も有名です。
宿選びの際には、渓谷の美しさを堪能できる場所を探してみるといいかもしれませんね。
山の中でありながら橋立漁港も近く、宿では海の幸を満喫できる
山中温泉は山の中にあります。その意味で、宿の料理はどうなのかと気になるはず。地図を見れば分かりますが、加賀温泉郷は海に近く、石川県でも有名な橋立漁港も間近です。
橋立漁港といえば、お隣の県境を挟んだ福井県の三国漁港と並び、ズワイガニの水揚げで有名です。その意味でいえば、山中温泉は山の中でありながら、海の幸も存分に楽しめる宿ばかりなのですね。
温泉の質はもちろん、温泉街も充実していて、料理もおいしい山中温泉です。
近隣の山代温泉の方が確かに訪れる人は多いですが、山代とは異なる落ち着いた風情があって、景観の変化も大きく、存分に温泉旅行を満喫できるはずですよ。ぜひ温泉旅行の参考にしてみてくださいね。
- 参考
- 温泉頌山中の句 石川県立美術館
- 「都市計画道路温泉中央南線 山中温泉ゆげ街道大生水通りの完成を祝う会」について 石川県
- 平成29年(2017)加賀市観光統計 加賀市
- image by:photoAC(こおろぎ橋)
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