旅も人生も、もっと楽しく編集できる。

桃太郎はホントに岡山?誰もが知っている「五大昔話」のゆかりの地

坂本 正敬
坂本 正敬
2019/09/16

『一寸法師』の冒頭には、「むかし、越後の国のある村に」という出だしがあります。『キジムナー』の冒頭にも「むかし、沖縄のある村に」などと、物語の舞台が明示されていますよね。

キジムナーの場合は、そもそもが沖縄の妖怪というか、精霊だと知られていますから、物語の舞台はわかりやすいです。

では一方で、五大昔話といわれる『花咲かじい(花咲か爺)』、『舌切りすずめ』、『猿かに合戦』、『桃太郎』、『かちかち山』といった、「超」がつくほど有名な物語は、どこが舞台になっているのでしょうか。

花咲かじい

image by:Kakuzo Fujiyama [Public domain], via Wikimedia Commons

花咲かじいは『広辞苑』(岩波書店)によると、室町時代から江戸初期ごろにできたといわれる物語で、江戸時代に絵入りの読み物(赤本)に『枯れ木に花咲かせ爺』として掲載され、現在の物語の形が全国に定着していったのだとか。

花咲かじいの舞台は、少なくとも物語のなかでは記されていません。平凡社の百科事典などには、東北や南九州に残る物語から派生したといった記述も見られます。

かといって東北や南九州で、岡山(桃太郎)のように大々的に宣伝している観光地は、筆者の少ない知識の範囲でいえば見当たりません。

image by:Shutterstock.com

『日本昔話事典』(弘文堂)によると、日本全国のみならず、東アジアにも類似の話が見られるといいます。

そのことを踏まえると、残念ながら花咲かじいに関しては、ゆかりの地が○○とはっきり特定できるわけではないみたいですね。

ちなみに花咲かじいで大切な役割を果たす犬は古くから、人間を守り、豊かな獲物をもたらすため、


<幸福な生活を約束する神の使い信じられてきた>(日本昔話事典より引用)

みたいです。犬がいまの時代もペットとして愛されている理由に、少し通じている気がしますね。

翻訳家/ライター。1979年東京生まれ、埼玉育ち、富山県在住。成城大学文芸学部芸術学科卒。国内外の紙媒体、WEB媒体に日本語と英語で執筆する。 主な訳書に『クールジャパン一般常識』(クールジャパン講師会)。

桃太郎はホントに岡山?誰もが知っている「五大昔話」のゆかりの地
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
TRiP EDiTORの最新情報をお届け
TRiPEDiTORオフィシャルメルマガ登録
TRiP EDiTORの最新記事が水・土で届きます
ついでに読みたい
 長崎 長崎は今日もエキゾチック。龍馬も愛した「和華蘭文化」って何? ★ 74
 京都 “京都のお伊勢さん” 天橋立にある元伊勢・籠神社と海の京都の葵祭 ★ 136
 京都 「あじさい寺」丹州観音寺へ古寺探訪。福知山で話題の展望台へ ★ 213
 石川 「まかない」で働く女性の知恵が生んだ、金箔のまちの美味しい美用食 ★ 21
 京都 「下らない」と「下りもの」の語源に隠された、京都と江戸の上下関係 ★ 27