桃太郎はホントに岡山?誰もが知っている「五大昔話」のゆかりの地
桃太郎

桃太郎の舞台といえば、真っ先に岡山が思い浮かびます。岡山駅前には桃太郎の銅像もありますし、岡山城のお堀では桃の形をした足漕ぎボートが楽しめます。
桃太郎の起源が自分たちにあると昭和のなかごろから岡山がいい始めた背景には、岡山の古い呼び名である吉備の古代史に、鬼神と桃太郎との戦いを示す記述があるからなのだとか。

しかし、桃太郎の発祥の地を自認する場所は、岡山だけではありません。岡山市も加盟する日本桃太郎会連合会があり、香川県高松市、奈良県田原本町、愛知県犬山市、山梨県大月市なども発祥の地を宣言しています。
例えば奈良県田原本町は、桃太郎の原型とされる神話『古事記』の吉備津彦が生まれ育ち、西の吉備を平定しに出かけた拠点とされています。
物語の発祥の地(奈良)を「桃太郎」の生誕の地に求めるか、鬼神と桃太郎が戦った舞台(岡山)に求めるかで見方が変わるのですね。
ただ、日本昔話事典を読むと、江戸時代に絵入りの読み物(赤本)で形を整え、明治時代の国定教科書で統一された桃太郎も、現実は各地にさまざまな「桃太郎」が存在しているのだとか。

その根底には、異常な形で生まれた小さい子どもが人並み以上の力を持って働くという日本固有の「小さ子信仰」があるためで、一概にどこが発祥と言えない部分があるみたいですね。
その意味ではすべてのゆかりの地をめぐり、自分なりに考えを深める旅も、いい思い出になるかもしれませんね。
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