「ディスカウント」の言葉に要注意。有名品こそ気をつけたい世界のお土産
メキシコの「シルバーアクセサリー」
筆者の人生初の海外旅行は、アメリカとメキシコでした。アメリカで訪れたのは西海岸だったため、国境を越えてメキシコのティファナへ行ったことがとても懐かしいです。
国境を越えた先の世界観の違いに、当時10代の筆者は面食らってしまいました。その衝撃で冷静さを失っていたのか、路上販売のお兄さんに、ニセモノの「シルバーブレスレット」を高額で買わされた経験があります。
メキシコでしたが、国境にある街だったので、当時の記憶ではアメリカドルが使えたのですが価格は50ドル。日本円にして約6,000円ほどです。
当時、木村拓哉さん主演『若者のすべて』(フジテレビ)というドラマが流行していました。そのドラマ内で木村拓哉さんがシルバーのブレスレットを身に着けていて、その姿に強烈な憧れを抱いていたヤングの筆者。
旅の前からシルバーアクセサリーの一大産地であるメキシコで、素敵なシルバーのブレスレットを買って帰ろうと心に決めていたのです。
ティファナの中心部には、さまざまなシルバーアクセサリーのお店がありました。いくつか回ったのですが、当時のお小遣いではちょっと割高で二の足を踏んでしまいます。
迷っていると、ひとりの男性が路上で寄ってきて「シャチョウ、マツダセイコ、アミーゴ。ブレスレット、ディスカウント、50ダラーズ」と声をかけてきました。
その気さくさと人懐っこそうな笑顔に、ちょっと警戒を解いてしまった面もあるかもしれません。ブレスレットを買って、ツアーの集合場所に戻りました。
集合場所でほかの参加者を待ってると、別のブレスレット売りが近づいてきます。もう買っていると断ると、余計に食い下がってきました。見かねて「カズさん」という日本ガイドが間に割って入り、何やら現地の言葉で声をかけます。
すると、ブレスレット売りの顔が困惑し「20ダラーズ、10ダラーズ、ノー、5ダラーズ」と、最初50ドルだったブレスレットが5ドルまで下がりました。要するに、最初からその程度の価値のブレスレットなのですね。
案の定、筆者の買ったブレスレットは、帰国後すぐに銅色に変わっていきました。銅に銀メッキをしただけの偽物だったのです。
もちろん現地には正真正銘の正規品を扱うお店はあるはず。ですが、少なくとも路上販売のシルバー製品だけは、手を出さない方が無難かもしれません。