2011年春。田舎から上京した私が初めて知った都会は足立区「北千住」だった
東京にいても、田舎と同じ気持ちでいた2020年
楽しい東京暮らしを満喫して2年ほど経ったころ、大学のキャンパスの移動と部屋の更新が重なったため、引っ越すことに。慣れ親しんだ北千住の街を離れて、別の場所で暮らしはじめました。
それからまた数年経ち、大学を卒業して社会人を5年ほど経験したいま。東京という都会に新鮮さを感じることもなく、会社から帰宅したら缶ビールを片手にスマホをいじる毎日。最近は体を気にしてカロリーオフの缶チューハイにシフトしながらも、かわりばえのしない生活を過ごしていました。
そんな2020年1月。久しぶりに田舎に帰って、ジモトの友だちと2人でお酒を飲むことに。お互い会うのも数年ぶりで近況報告だけでは話し足りず、お店も2軒、3軒と進みます。
「そういえば、あの子どうしてる?中学のときよく一緒にジャスコいってた」そんな話をすると、だいたい「結婚した」「別れて誰々と付き合っている」「再婚した」。独身なのは私と一緒に飲んでいた友だちくらい。20代後半ともなれば、気がつけば周りは既婚者だらけ。
「田舎は結婚が早いっていうからね」と友だちは笑っていたけど、ちょうど数年付き合った彼氏と別れたばかりの私だけひとりぼっちだなぁと思ったり。
そんな私に、友だちは昔と変わらず懐かしい方言で話しかける。でも、私はなんとなく、方言ではなく標準語で返す。バーで会った初対面のおじさんに「どこ住んでるん?」と聞かれたときは、「東京に住んでる」と、少しだけ自慢げいっていました。
でも実際、東京に住んでいても何もすることなんてないし、目的もない。毎日同じことの繰り返しでお酒ばかり飲んで増えていくのは体重だけ。
なんだか、こんな毎日に飽き飽きして。東京でも、田舎にいたときと同じ気持ちでいる自分に気付いてしまったのです。上京してきたころ、私どんなことを思ってたんだっけ。どんなことを目標にしてたんだっけ。東京に憧れを持ってたんじゃなかったっけ。ああ、なんだかなぁ……。
東京に戻っても、そんなことばかり考えるばかり。だからこそ、電車に乗って北千住の街を訪れてみました。2020年2月初旬、私の東京でのルーツがある北千住へ。