美女にゾクっと…夏夜を涼む東京怪談さんぽ「本所七不思議」
梅雨が明け、夏本番!夏といえば海やプールで涼みたいところですが、2020年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、なかなかレジャーイベントに行けない状況が続いています。
でも、せっかくなら夏らしいことを楽しみたいですよね。そんな暑い夏にぴったりなのが「怪談話」。
今回は日本の七不思議のひとつ、現在の東京都墨田区に江戸時代のころから伝承されてきた「本所七不思議」をご紹介していきます。
涼しくなってきた時間帯に東京都内で楽しめる「東京さんぽ」の参考にしてみてくださいね。いろんな意味でゾッとするエピソードに、きっと涼を味わえるはずですよ。
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウィルスの国内・各都道府県情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
置行堀/両国〜錦糸町付近
江戸時代のころ、本所付近は水路が多く、魚がよく釣れた。ある日、仲の良い町人たちが錦糸町あたりの堀で釣り糸を垂らしていたところ、いつにも増してよく魚が釣れたのだとか。
気を良くした町人のひとりが夕暮れとともに帰ろうとすると、堀の中から「オイテケ、オイテケ」という恐ろしい声が。恐怖に駆られ逃げ帰ると、持ち帰った魚籠には、あれほど釣れた魚が一匹も入っていなかった−−。
「置行堀(おいてけぼり)」は、本所七不思議のなかでも落語に多用されて有名になった怪談話のひとつ。「日本昔ばなし」でもおなじみのエピソードですね。
かつて両国には、「御竹蔵(おたけぐら)」という幕府の資材置き場があり、その周辺には地面を掘ってつくった水路の割掘がありました。この堀はたくさんの魚がいる釣りスポットだったのですね。
置行堀の言い伝えはさらに派生し、「魚を持って堀を通りかかった人まで魚を奪われた」だとか、「逃げた先でのっぺらぼうに遭遇した」、「声の正体は河童だった」など、さまざなオチが存在するようです。
置行堀は、墨田区の両国付近から江東区の亀戸あたりにかけて残る七不思議として言い伝えられており、錦糸町の第三亀戸中学校前には「おいてけ堀跡の碑」、錦糸町南口の錦糸堀公園には「河童の銅像」が飾られています。
ミステリースポットが広くなるほど、話が脚色されて結末も変わってしまうというのはなかなか面白いですね。ちなみに置き去りを意味する「置いてけぼり」の語源は、この話が由来なのだそう。