外国人が気になっていた、大好きな「日本」に関する5つの疑問
二重国籍は認められる?
最後は国籍について。実際に「日本は二重国籍を認めている?(Does Japan allow dual citizuneship?)」と盛んに検索されており、その回答としてアメリカのInsiderというWebサイトが検索結果として示されています。
同サイトによると、日本は二重国籍を有している人に対して、22歳の誕生日までに国籍を選択するように求めていると紹介しています。
日本の法務省のホームページを見ると、20歳になる前に二重国籍になった人は、22歳になるまでに二重国籍を解消しなければいけない努力義務が課せられるのだとか。
<日本の国籍と外国の国籍を有する人(重国籍者)は,一定の期限までにいずれかの国籍を選択する必要があります(国籍法第14条第1項)。 >(法務省のホームページより引用)
一定の期間とは、人によって異なっていますが、ひとつの目安は20歳の誕生日です。
先ほど書いた通り、20歳に達するより前に二重国籍になった人は、22歳に達するまでに選択する必要がありますし、20歳以後に二重国籍になった人は、二重国籍になってから2年以内に国籍を選択する必要があるとされています(2022年からはこの20歳という基準が、18歳に前倒しになります)。
どのような人が二重国籍に該当するのかといえば、例えば以下の人たちです。
- 日本国民の親と、父系血統主義、父母両血統主義を採る国の国籍を持つ外国人の親との間に生まれた子ども。
- 日本国民の両親が、生地主義を採っている外国で生んだ子ども。
- 外国人の父親から認知された、外国人との養子縁組をした、外国人と結婚したなどで、外国の国籍を取得する形となった日本国民
- 日本国籍に帰化したものの、引き続き前の外国の国籍を持っている人
ちょっと難しいですね。
ただ(1)~(3)は親、あるいは本人に日本国民が含まれている話ですので、今回の記事でいえばあまり関係がありませんね。移住を希望する外国人に関係があるのは(4)のケース。
日本は二重国籍を認めていない世界でも少数派の国に含まれています。外国人が帰化を選択し、日本国籍を取得した場合、2年以内に二重国籍を解消しなければいけません。
その方法として国籍選択届を提出し、そのなかで「日本の国籍を選択し、外国の国籍を放棄します」と宣言する方法があります。
しかし、この状態では厳密にいって日本の国籍を取得しただけで(さらに国籍の選択義務をしようと努力しただけで)、自動的に元の外国籍が解消されるとは限りません。
元の国籍を持っていた国の政府、または日本に駐在する外国公館を通じて手続きを行う必要があるのですが、完了するまでの間は二重国籍状態が続きます。
とはいえ法務省は、外国国籍の離脱を帰化した外国人に求めながらも違法状態には扱いません。
ならば冒頭の「二重国籍は認められる?」との問いは、「いいえ」が原則であるものの、そもそも自国の国籍の放棄が不可である国もありますので、事情を鑑みると絶対ダメとは言い切れないのではないでしょうか。
今回は、日本へ移住したいと考える外国人が気にする、素朴な疑問をいくつかご紹介しました。
関連してGoogleでは、「タトゥーがあっても日本に行ける?」「日本で慎むべき行動は何?」「サングラスは無礼?」「ジーンズは履いていい?」「日本語を話す外国人を日本人は好き?」といった質問も検索されている様子。
国家間の移動が多い欧米各国の人たちでさえ、日本への移住は少しハードルが高く映るのかもしれません。その不安や疑問が、さまざまな質問になって表れてくるのかもしれませんね。
- 参考
- 第2章 人口・世帯 – 総務省
- 【在留外国人統計(旧登録外国人統計)統計表】 – 法務省
- 短期滞在(観光等)で日本に来ている外国人を採用しても就労ビザは取れる? – 外国人雇用&就労ビザ相談センター
- 2 東京における外国人不動産取引の動向
- Worldwide Cost of Living 2020 – EIU
- 国籍の選択について – 法務省
- 国籍選択届 – 法務省
- 国籍Q&A – 法務省
- 帰化・日本国籍取得 – 大村行政書士事務所
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