まさか国民の義務!?長期休暇にチェックしたい、海外の「お掃除」事情
国の清掃に力を入れている/ルワンダ
続いては、ルワンダの大掃除事情について。馴染みのないかたからすると「ルワンダ?」と頭にクエスチョンマークを思い浮かべるかもしれません。
ルワンダとは外務省の情報によれば、サハラ砂漠以南にあるアフリカ中部の小国で人口は約1,230万人ほど。首都はキガリ。隣国との国境を挟んで、有名な「ビクトリア湖」が近くあります。
国内にも「キブ湖」という湖があり、筆者は訪れた経験がないですが、この湖を世界の絶景のひとつに挙げる同業者の知人も知っています。
このルワンダ、実は別名でアフリカのシンガポールといわれるくらい、国の清掃に力を入れているそうです。
国内に暮らす全世帯のなかから、18歳以上で65歳未満の健康な人を1人、月に1回、毎月の最終土曜日に清掃活動に出さなければいけないという国民の義務まであるのだとか。
その背景は、国際協力機構のホームページに詳しく記載されています。最終土曜日を「ウムガンダの日」と呼ぶそうで、国家がベルギーの植民地支配から独立した後、国家に対する国民の義務のひとつとして、定められたのだとか。
ルワンダといえば、内戦とジェノサイド(集団殺害)の悲劇を思い浮かべる人もいると思います。この一連の出来事から立ち直る際の復興活動にも、ウムガンダの日は活用されたみたいですね。
国民はウムガンダの日になると、トイレの穴を掘ったり、草むしりをしたりするために、経済活動をほとんどストップさせます。公共交通も止めて、国家のためにそれぞれが何かをするみたいですね。
ちなみに世帯から行かなかった人は、自宅で待機し、静かに家族の帰りを待つみたいです。
ゴミひとつ落ちていない国は、必然的に治安もよくなります。外務省の海外安全ホームページを見ると、国境を共にしたコンゴ民主共和国が危険レベル4(退避勧告)、ブルンジが危険レベル3(渡航中止勧告)なのにもかかわらず、ルワンダについては危険レベル1(注意)でとどまっています。
まちの美しさ、清掃活動と治安の関係性を物語るひとつのエピソードともいえそうですね。