まさか国民の義務!?長期休暇にチェックしたい、海外の「お掃除」事情
1年間使わなかったものを処分する/イラン
ヨーロッパの一部には、大みそかに大掃除をする国があると紹介しました。同じように中東のイランも、日本と同じく大みそかに大掃除をします。
「ノウルーズ(イラン暦の元日)」といわれる、ササン朝ペルシャ時代から行われてきた国民行事の新年を迎えるにあたって、大みそかにイランの人たちは大掃除をするのですね。
イランといえば、国民のほとんどがイスラム教徒なので、ノウルーズもイスラム教の関連イベントだと思ってしまうかもしれません。
外務省の情報でも、イラン・イスラム共和国の宗教は、イスラム教(主にシーア派)とされています。
しかし、イランが現体制のイスラム共和国になったタイミングは、1979(昭和54)年。ホメイニ師の指導の下で、イスラム革命によって現体制がつくられてからです。
要するにノウルーズに関しては、イランがイスラム共和国になる前から、ずっと続いていた国民行事で、全国民がその日を祝う大切な日なのですね。
ノウルーズを迎えるにあたって、国民は清掃をし、模様替えして、1年のうちで使わなかった家財道具や食器などを処分します。
単なる掃除では終わらず、天上の色を塗り直したり、家の補修を行ったりする家庭も少なくないようです。さらに家に花を飾り、新しい家具を新年を迎えます。
この伝統は、現在のイランにだけ伝わる話ではなく、アジア、ヨーロッパのバルカン諸国、ユーラシアのコーカサス地域などでも行われているそう。
広大な版図を獲得したササン朝ペルシャの拡大とともに、かなりの広範囲に広まった新年の迎え方なのですね。
ちなみに国連の情報によれば、ノウルーズは毎年だいたい西暦の3月21日ごろに行われるといいます。北半球が暖かくなるころですね。
この伝統が先ほど書いた、北ヨーロッパの春に大掃除をするという伝統に影響を与えたともいわれているみたいですよ。