レトロな「窓」がカワイイ。台湾を彩る「鉄窓花」に魅せられた女性

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2021/09/15

これはもうアート!オススメ鉄窓花

―では、tamazoさんオススメの鉄窓花をいくつか教えてください。

tamazo:まず苗栗(ミアオリー/びょうりつ)の鉄窓花を。窓全面を覆う少し錆びたお花の感じが華やかで、蝶まで飛んでいて。初めて見たとき「おーっ!」って声が出るほど感激しました。

苗栗の鉄窓花。image by:tamazo

―一幅の絵画を見るような、愁い(うれい)を含んだ美しい鉄窓花ですね。続いては、どれでしょう。

tamazo:これは屏東(ピンドン/へいとう)の鉄窓花です。住宅が密集している場所でした。「門構えがかっこいいな」と思って撮って、鉄窓花の存在にはあとから気がついたんです。めでたい赤色の扉と、緑のタイルの対比がキマッていますよね。その上にある鮮やかな赤い花がとても美しかったです。

屏東。image by:tamazo

―見ているだけでご利益がありそうですね。続いては。

tamazo:これは台南(タイナン/たいなん)の、中国大陸から渡ってきた人々が住んでいた街の一画です。ヘタしたらこの家、100年くらい経っているかもしれない。塗りなおしていないのかな。いい感じに陽に灼けています。これはもう「アートだな」って。すごい気に入りましたね。右下の洗濯物が静物画のようにキマッています。

台南。image by:tamazo

―ワビサビというか、サビサビというか。味わい深いです。続いては。

tamazo:竹南(チューナン/ちくなん)の路地で撮った珍しい「黄色の鉄窓花」です。巨大な褐色の神農像(農業の神様)のすぐそばにあってね。台湾の宗教は主に道教で、道教の神様は派手なんです。それで鉄窓花も黄色なのかな。黄色い鉄窓花はここ以外で見た経験はないです。

竹南。image by:tamazo
竹南の鉄窓花。大きな神農像のそばにある。image by:tamazo


―色といい立地といい、これまでと打って変わってパワフルな鉄窓花ですね。元気をもらえます。では最後に鉄窓花の魅力はなんだと思われますか。

tamazo:鉄窓花は稀少物じゃない。それなりに数はある。どこにでもある。けれども、すべてが違う。そこが面白いです。暮らしのなかにこんなにかわいいデザインが溶け込んでいる台湾がますます好きになりますね。

―ありがとうございます。

image by:吉村智樹

台湾の鉄窓花はかわいいだけではなく、国の歴史や、人々が生きた証しがありました。街にありふれているものの価値や魅力を改めて見直したくなりますね。

いますぐには行けない台湾。新型コロナウイルスが収束したあかつきには、ぜひ台湾を訪れ、街の鉄窓花を鑑賞してみてください。それまでは窓辺に咲く花に想いを馳せましょう。

『台湾鉄窓花蒐集帖』

台湾各地で撮り溜めた鉄窓花(窓や玄関まわりに防犯のために取り付けてある装飾的な鉄格子)100点余りをオールカラーで紹介。

  • 『台湾鉄窓花蒐集帖』
  • 1,320円(税込)
  • 詳細ページ
  • tamazo著/鉄窓花書房
  • image by:tamazo
  • ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。
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京都在住の放送作家兼フリーライター。街歩きと路上観察をライフワークとし、街で撮ったヘンな看板などを集めた関西版VOW三部作(宝島社)を上梓。新刊は『恐怖電視台』(竹書房)『ジワジワ来る関西』(扶桑社)。テレビは『LIFE夢のカタチ』(朝日放送)『京都浪漫』(KB京都/BS11)『おとなの秘密基地』(テレビ愛知)に参加。まぐまぐにて「まぬけもの中毒」というメールマガジンをほぼ日刊で発行している(購読無料)。

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