日本人が知らない、海外の当たり前…「生活」に潜むカルチャーショック
シンクにお湯を張って一気に洗う
食器洗いに関する別のカルチャーショックを紹介します。それが「シンクの使い方」です。
日本人の一般的なシンクへのイメージは「使った食器を一時的に置く場所」ではないでしょうか。食器を仮置きしてからまとめて順番に洗い、水切りにのせる流れですよね。
しかしドイツやオランダなどヨーロッパ諸国、ニュージーランド、アメリカなどでは、シンクにお湯を張って食器用洗剤を入れ、ためたお湯の中で食器を洗う習慣が実践されています。
もちろん「食洗機」がかなり普及していて、食器洗い乾燥機で一気に洗って終わりという家も少なくありません。しかし一方で手洗いしている家庭では、お湯を張って洗う方法が一般的に好まれているようです。
当然ですが、洗い終わった食器には食器用洗剤の泡が残ります。現地の人は気にならないのでしょうか?
聞けば、必ずといっていいほど「食器用の洗剤の中に害のある成分が含まれているはずがない」と欧米の人たちは応えます。現実問題として食器用洗剤に毒性はないのでしょうか。
この点については1983年に厚生省(現在の厚生労働省)が「洗剤の毒性とその評価」を発表しています。洗剤に含まれた化学物質の毒性区分について、食塩やアルコールと同じ「実際上無毒性」と厚生省は分類しています。
試験物質を投与した動物の半数を死亡させる量をLD50値で示します。その評価でいうと食器用洗剤は危険な物質ではありません。体重1kgあたり5~15gの食器用洗剤を口にすると半数の動物が死ぬ程度です。体重が60kgの人であれば食器用洗剤を300g~900g飲んだら危険とのイメージです。
水ではないので正確に1g=1mlではないかもしれませんが、500mlのペットボトルに入った食器用洗剤を飲み干すと死ぬ可能性が半分くらいといった感じでしょうか。
食器用洗剤は使う量も少ないですし水に薄めて使うわけですから、理論上は欧米人の主張には信ぴょう性があるのかもしれません。