衝撃の「ビキニ」が日本へ上陸。世界に革命をもたらした水着の歴史とトレンド
1946年にビキニが考案される
その延長で、1925(大正14)年ごろには、現在のようなワンピース・スタイルの女性用水着が生まれ、1935(昭和10)年ごろからはツーピース・スタイルのへそ出し水着が生まれます。
このツーピースが、1946(昭和21)年の画期的な水着「ビキニ」の発明の土台になったと考えられます。
同年にフランスのパリで、ルイ・ルオールとジャック・エイムというデザイナーから、似たようなデザインのセパレート型水着が偶然にも同時に発表されました。
最初は「アトム」と呼ばれたみたいです。その水着が、1950年代には世界各地に広まっていきます。その普及の過程で、露出の多い刺激的な水着を形容するために、誰かが「ビキニ」と呼んだとの説もあるそう。
日本で「ビキニ」が一般的になるのは1970年代
ビキニは、1955(昭和30)年ごろに日本にも輸入されました。
さすがに、すぐには受け入れられず、市民権を得るまで20年近くの歳月を要しましたが、一大センセーションを日本でも巻き起こします。その背景には、米国ハワイ州出身のアグネス・ラムさんなど、グラビアアイドルの人気もあったのだとか。
アグネスラムさんの発言によれば、
<当時日本ではまだ珍しかったビキニも、ハワイでは若い女の子には普通の水着でした>(『NEWSポストセブン』より引用)
といった感じで、1970年代半ばにはすでにハワイなどで、ビキニが当たり前の水着になっていたとも読み取れます。
しかし、三角ビキニやマイクロビキニまで水着の露出が行き着くと、一転して、覆う方向へ水着の流行に揺り戻しが起きたようにも筆者には見えます。
女性のワンピースはトレンドのリバイバルを繰り返していたり、教育現場でのジェンダーレス水着だったり、上半身を覆う男性水着への関心の強さだったりと、時代や需要にあわせた変化も見られます。
この先、水着はどうなっていくのでしょうか。大きな日本史・世界史を踏まえた上で、バリエーションが豊富になってきた昨今ですから、みなさんも自分好みの水着を選んでみてくださいね。
- 参考
- 江戸時代後期における海水浴概念の伝播に関する研究西洋医学書および医学教育の内容にみられる「海水浴」に着目して – 國木孝治
- 我が国における海水浴の受容・発展に関する研究一大野海水浴場(潮湯治場)ー – 園木孝治・東川安雄
- 我が国における潮湯治から海水浴への変化過程に関する歴史的研究 – 國木孝治
- ブリタニカ国際大百科事典
- 世界大百科事典(平凡社)
- 日本大百科全書(小学館)
- 海水浴と女性水着の歴史、明治から大正初頭-むかしの装い
- どの時代が好み?100年かけて進化した「女性水着」の歴史-COSMOPOLITAN
- 大磯海水浴 八月の景況-大磯町郷土資料館
- アグネス・ラムの未公開写真、本人は「幸せに暮らしてます」-NEWSポストセブン
- image by:Metropolitan Museum of Art, CC0, via Wikimedia Commons
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