衝撃の「ビキニ」が日本へ上陸。世界に革命をもたらした水着の歴史とトレンド
そんな海に入る習慣が世界各地で親しまれていくなかで、ヨーロパ各地に海水浴場が開かれます。時は19世紀。水着に関していえば、フランスやイギリスにこのころ、スポーツ用の水着が現れました。
とはいえ一方で、水着といえば体を覆い隠すスタイルがまだまだ基本だったみたいです。男性はシャツとズボン、女性はドレス+膨らんだズボンの組み合わせが主流でした。
加えて、靴下と靴で入ったみたいです。要するに、普通の服装に近かったのですね。
この時点で、日本の水着はどうだったのでしょう。19世紀の日本は激動の時代です。明治維新があり、時代が大きく変わりました。鎖国が開国し、世界の文化が日本に一気に入ってきたころです。
海水浴の紹介自体は、シーボルトらの医学教育や医学書、各種の翻訳書によって、江戸時代の後期にすでに始まっていました。
しかし、日本で長らく続いた潮浴文化のなかに、健康増進・避暑・レクリエーションを目的として海岸で水につかるヨーロッパ的な海水浴が、明治維新後は本格的に輸入されていきます。
その海水浴が、日本人の習慣になる時期は、1887(明治20)年ごろです。
1891(明治24)年の豊原国周『大磯祷龍館之図』、三代歌川国貞『大磯海水浴浜辺景 祷龍館繁栄之図』、1893(明治26)年の小国政『大磯海水浴 富士遠景図』などの絵図では、大勢の人が押し寄せている様子が確認できます。
言い換えれば、レジャーとしての西洋流の海水浴が市民権を得るまでに、約20年の歳月を必要としたのですね。
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その変化のなかで、当然ながら水着についてもトレンドの移り変わりがありました。まず、昔ながらの肌じゅばんにスカートという和洋折衷のスタイルが女性の間で生まれます。
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