東京の家賃上昇が止まらない…23区のシングル物件が平均10万円超えの大台に

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2024/07/10

円安をはじめ、世界情勢や国内事情などさまざまな要因が絡み合い、止まる兆しのない物価上昇。生活に支障を感じる勢いを見せる金額に驚く日々となっていますが、上がっているのは物価だけではありません。毎月の大きな支出となる「家賃」も、ジワジワ上昇しているのです。

そこで今回は、日本各地の中で最も驚異的な上昇を見せる「都市部」賃貸料金の現状をご紹介します。不動産情報サービス「アットホーム」及び「LIFULL HOME’S」による家賃動向の調査結果について、早速チェックしてみましょう。

東京23区のファミリー向け募集家賃の平均額が21万円超えの大台に突入という現実

image by:Ned Snowman/Shutterstock.com

まずは「シングル向き賃貸物件」の状況からチェック。LIFULL HOME’Sによると、2024年4月付けの東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の1都4県からなる「首都圏」の平均賃料は7万9,216円で、なんと前年比104.7%という恐ろしい上昇ぶりとなっています。

前月比でも102.1%となっており、ひと月でまさかの超急上昇ということが判明。一方、問い合わせが多くなる「反響平均賃料」の方を見てみると平均額は7万9,603円で、こちらも前月比は104.2%、前年比は103.0%となっています。

image by:Ned Snowman/Shutterstock.com

さらに範囲を狭めて「東京都」のみに着目。23区のシングル向き賃貸物件も、掲載平均賃料が10万3,457円、反響平均賃料は9万2,966円と、前年比&前月比共に100%を超えるという結果に。

23区シングル物件の平均家賃が10万円を超えたのはなんと史上初。東京都心でひとり暮らしをするには、家賃10万円以上を覚悟すべき時代に突入した一方、東京「市部」の方でを見てみると掲載平均賃料は5万7,709円、反響平均賃料は6万3,688円と一気に格安に。

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こちらも前年比&前月比共に100%を超えているとはいえ、23区を脱出した途端「東京暮らし」のコストが大きく抑えられることがわかります。通勤・通学などの関係もあるとはいえ、毎月の支出を抑えられる居住地を改めて検討してみるのも良さそうです。

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続いて、大阪府、兵庫県、京都府から構成される「近畿圏」でのシングル向き賃貸物件の家賃状況を見てみると、掲載平均賃料は前年比103.5%の5万7,527円、前年比103.6%の反響平均賃料は5万9,971円という結果に。

大人気の旅行地であり、多くの見どころや最先端の施設もそろい、刺激的な大都市である大阪を含めても、東京23区と比較すると大変リーズナブルに見えます。とはいえ、前年&前月比は100%を超えているため、上昇していることは間違いないということがわかります。


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続いて首都圏の「ファミリー向き賃貸物件」を見てみると、掲載平均賃料は13万2,414円で、驚愕の前年比115.3%という結果に。反響平均賃料は前月比98.2%・前年比100.0%の11万5,344円と、「13万円強」は踏み出す勇気が必要という状況が想像できます。

しかし、23区に至っては13万円どころか、前年比118.7%の21万4,826円と「ごく一般的な会社員の家族には無理なのでは」と心配になる数値に。反響平均賃料は16万6,519円とやはり大幅に下がっており「さすがに21万円は」という声が聞こえてくるかのようです。

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23区のリアルが突き付けられたところで、東京「市部」のファミリー向き賃貸物件を見てみると、掲載平均賃料は9万9,364円という結果に。前月比99.5%・前年比107.5%ではあるものの、非常に現実的な数字だといえます。

反響平均賃料は前月比99.0%・前年比98.0%の10万1,894円となっており、掲載賃料の方が安いという状況も判明。この数字を見ると「23区で無理をするより落ち着いた住宅街も多く子育てもしやすい地域で、広々とした物件に住みたい…」と思う方も増えそうです。

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続けて近畿圏のファミリー向き賃貸物件を見てみると、掲載平均賃料は前月比101.3%・前年比104.4%の8万3,228円、反響平均賃料は前月比98.3%・前年比100.6%の8万6,609円という結果に。これまで「賃貸」と聞いてイメージする方も多い数値かもしれません。

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また「アットホーム」の調査によると、マンションの平均家賃は東京23区や東京市部、関西圏だけでなく、神奈川県や埼玉県、北海道の札幌市や宮城県仙台市、愛知県の名古屋市や福岡県の福岡市など、家賃は全国的に全面積帯で上昇しているとのこと。

ファミリー向けマンションも、都市部の全13エリアが前年同月と比べて上昇していることが判明。しかも6カ月連続で上がっているといい、神奈川県・仙台市・京都市・大阪市・神戸市・福岡市の人気6エリアに至っては、2015年1月以降の最高値を記録しています。

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こうしている今も、家賃の上昇が止まらない全国の都市部。新しい暮らしを考えている人は、収入アップや情勢の変化を祈るか、これ以上上がっていく前に、一刻も早く契約へ踏み出すのが賢明かもしれません。

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大学時代にドイツへ1年間留学。卒業後は旅行・グルメ・恋愛系のライターとして活動中。大好きなハンバーガーとビールのために、休日はボルダリングとヨガで汗を流す。

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