一発合格はありえない?試験官の気分で不合格に?日本とは違うエストニアの「運転免許」事情
日常使いはもちろんのこと、お出かけの際のドライブや旅先でのレンタカーなど、運転免許証があれば旅の楽しみ方が一気に広がりますよね。
日本では、教習所での実技試験や学科試験などをしっかり学べば、大体はすぐ受かるはず。ですが、ヨーロッパにあるエストニアでは、日本と比べ、免許証の取得が一段と難しいのです!
なぜ合格が難しいの?日本とは違うエストニアの「運転免許」事情
私が免許証を手に入れたのは2022年。コロナウィルスの影響で仕事がしばし休みになったので日本へ帰国し、毎日何もしないでお家でうだうだしている私を可哀想に思ったのか、母が「教習所にでも通ってみたら」と…。
「えっこんな時期に教習所も新しい人集めてないいでしょ」といいつつも、行動力のある母がとりあえず教習所に電話してみると、なんと絶賛新規受付中。
そしてキャッシュレスキャンペーンに、いつもは追加料金が必要な優先枠にも無料でアップグレードと、まぁお得なキャンペーンがたくさんありまして、じゃ早速行こう!と、迷う暇もなく私の教習生活が始まったのでした。
お家から毎日自転車を飛ばして学科と実技のクラスを次々とこなし、なんと入学から1カ月で見事免許証を取得することができたのでした。
学校の先生からのメッセージには「台風のようにやってきて卒業していきましたね」と、あのときの私は他にやることが無かったこともあり、“The暇人”だったので1カ月すべてを自動車免許に捧げたのでした。
無事免許を取得した私ですが、もちろんエストニアで運転しようと思ったことは一度もなく、夏に日本へ帰国した1カ月間チャンスがあればちょこちょこ運転するくらいで、とてもじゃないですが運転が上手いとはいえません…。
毎年ビクビクしながら地元を運転をし、また1年間運転を忘れませんようにと祈るばかり。まぁ私の免許証は日本での身分証明になるためにと、万が一の時に家族のピンチヒッターになれるためのものであるのでした。
なぜ今回免許証の話をしていますかといいますと、最近エストニアの友だちと、エストニアの教習所・車事情について話す機会がありまして、まぁ面白い、そして国によってこんなに違うのかと思うことが多かったので今回はこのトピックにしてみました。
まずいえることは、エストニアで免許を取るのは日本よりも何十倍も難しいこと。私の周りでもたくさんの友だちが免許を取りに行ったのですが、まぁ99%の確率で一発合格はありえないかと。
唯一私の友だちで最終試験を一発合格した人がいるのですが、彼女は試験前に規定の回数30レッスンにプラス5レッスンを自ら申し出て受けた末に合格したということで、実際の基準30レッスンでは、最終試験を一発合格することはほぼ不可能だと思われます。
免許証の取得の手順は日本と似ており、
- ・実技30レッスン:初回2回は教習所内で残りのレッスンは暗闇講習・エストニアならではの雪のためのスリップ対策を含めた28回公道レッスン
- ・救命レッスン
- ・オンライン学科レッスン
これらをこなした上で教習所での実技・学科試験を受け、合格したら次は最終試験を政府まで受けに行くのでした。政府の最終テストでも、実技と学科のテストがあり、その実技がまぁ難しいらしく、実技で落ちる人が多いそうです(どの試験官に当たるかによってだいぶレベルが違ってくるそうです。朝の試験の方が試験官の機嫌がいいから受かりやすいとか)。
なんせ最終試験に2、3回続けて落ちると、また何回かレッスンを受け直すことになり、もちろんそこには追加料金がかかるわけで、少しでも儲けを多くするために政府もなかなか一発では合格させない仕組みなのでした。
そんな厳しいテストを受けた上で手に入るエストニアの免許証。その後は2年間何も問題なく運転し、政府の健康診断テストに合格すると、なんと10年間有効な免許が手に入るそうです。
もしかしたらこの10年も更新が必要のない免許証のせいか、エストニアは日本よりも運転が荒いドライバーが多く、「本当に教習場通った?」といいたくなるドライバーがたくさんいるのでした。
日本でいう高速や国道にのようなエストニアの大きい都市たちを結ぶ道では、120km出していいところがたくさんあり、90km以下で走っていると横から抜かされたり嫌がられることが多く、日本よりおとばししさんが多い国なのでした。
法定速度で走っている方が渋滞を作りそして、自分を追い越そうとする車が増えていき、事故の原因になってしまいそうです……。ちなみに法律では、初心者マークの人はMAX90kmしか出しちゃいけないルールもあるそうです。
その上、エストニアは自然豊かなこともありどこから出てくるか分からない動物にも気をつけることが必要になり、私は全くエストニアで運転したいなとは思いません。
というわけで、エストニア国内を旅行をするときには、お友だちの車に乗せてもらうことが多いのですが、たまに思ってしまいます。私が運転した方が安全じゃないのかと…(笑)。
せっかく運転してもらってるわけですから横からいろいろチャチャを入れるのは失礼とは分かっていますが、まぁセンスのない車線変更にアクセルの踏み方ブレーキの掛け方…燃費率が見れる車だったらきっとその運転の仕方じゃ燃費悪いよ。といいたくなる気持ちを抑え、いつも同乗させてもらっています。
自分が運転できなかった時は、母が「父の運転が怖い」という理由が全く分からななかったですが、いまでは助手席で存在しないブレーキを踏んでいる私なのでした。
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