台湾を自転車で一周できるのか? 愛と優しさに包まれる「環島」の旅、スタート
2011年3月11日に発生した東日本大震災や熊本地震の際に、日本のお隣「台湾」から贈られた多額の義援金に対する感謝の気持ちを伝えるため、震災記念日に自転車で台湾一周の旅に出た青年がいます。彼の名は、過去にママチャリで日本一周した経験を持つ、ポルポルこと大石樹(オオイシ・タツキ)さん。
現地の言葉で台湾への感謝の気持ちをプリントした布を身にまとい、自転車に乗って台北から反時計回りで台湾本島一周の旅に出発した大石さんは、生まれて初めて降り立った台湾の地で、日本からの感謝の気持ちを伝えることはできるのでしょうか?
『ありがとう台湾』自転車で台湾「環島(かんとう)」の旅 第一回
どうも、大石樹です。
この度、3.11の震災の際に台湾から贈られた200億円を超える義援金、そして熊本地震発生の際にも贈られた義援金のお礼参りを行うため、自転車で台湾一周の旅を実施することにしました。
記事公開されました!台湾ありがとう。震災義援金の感謝を伝える「環島」の旅、スタート https://t.co/W7XWmfAqZb #TRiPEDiTOR #環島 #台湾加油
— ポルポル@台湾環島 (@poruofficial) 2018年3月15日
題して、『自転車で台湾一周「謝謝台湾」の旅』プロジェクト。
台湾の方々へ向けた感謝のメッセージを印刷した布は、TRiP EDiTOR編集部が用意してくれました。
コースは、台北から台湾本島を反時計回りし、台中、台南、高雄を通り、島の最南端を東側へ折り返して、最後は花蓮の方へも立ち寄って、再び台北に戻るというコース。それを10日ほどで回る旅になりそうです。
台湾本島をぐるっと一周することを、現地の言葉で「環島(かんとう)」というそうです。台湾では、2015 年末に完成した環島向けの専用ロード「環島1号線」も整備されていて、ほとんどの方がだいたい8〜10日間ほどかけて本島を一周します。いまも毎日100人ほどの人々が台湾のどこかを走りながら環島していると言われているそうです。
台湾本島一周すべての距離を合わせると、約1000kmくらいになると聞いていました。およそ九州一周くらいの長さで、台湾本島自体が九州とほぼ同じ面積なのだとか。
しかし、台湾には真ん中に大きな山があります。それは富士山より高い、標高3952mの「玉山」(ぎょくざん)。日本統治時代に「新高山」(にいたかやま)と呼ばれ、あの真珠湾攻撃の暗号にも使われていた山です。なので、台湾を東西に横断するのは非常に困難なのです。
台湾は、その玉山を囲うかのように、道路が島全体の海岸沿いでぐるっと繋がっているので、台湾を簡単に一周することができます。そのため、台湾は東西の横断ではなく「環島」という台湾一周の旅が定番になっているのです。
まずは環島のために体を鍛える
しかし、されど台湾一周。日本を一年かけて一周した僕でも無茶な企画です。言葉も通じず、ましてやママチャリで日本一周した時とは違って体力が落ちています。
なので、台湾へ出発する前に日本のジムに行ってみることにしました。よりスムーズに台湾への御礼参りが行えるよう、ジムで足腰の筋肉を鍛える必要があったからです。
今回は、「BiP」というジムに協力を仰ぎました。そのジムは山手線「田町駅」近くにあり、元陸上自衛隊狙撃手という経歴を持つピン芸人で筋肉コミュニケーション研究家のジャスティス岩倉さんという方がトレーナーとして所属しているジムです。台湾の過酷な環境にも耐えられるよう、腕も足もジムで鍛えてもらうことにしました。
このジムでは1時間みっちりとサポート付きで教えてもらいました。台湾「環島」に備えて鍛えてもらった様子は、上の動画でご覧ください。
どうですか? ものすごく鍛えられたでしょう? 気になる方は、以下のURLをご覧ください。
台湾の有名自転車メーカー「GIANT」が全面協力
さて今回、台湾の大手自転車メーカーGIANTが、この「謝謝台湾プロジェクト」の主旨に賛同していただき、自転車のレンタル、備品類、ウェア、水筒などなど…数えたらきりがないくらいのグッズなどを無償でご提供いただきました。
実は、GIANTは台湾における「環島ブーム」の立役者でもあります。
主人公が台湾を自転車で一周するドキュメンタリータッチの映画『練習曲』(2007)。台湾で大ヒットを記録したこの映画に触発されたGIANT創業者の一人である劉金標さん(当時73歳)が、15日間かけて自転車で台湾一周を完走し、現地で大きな話題になりました。以後、台湾人の方々にとって、自らのアイデンティティを再確認するきっかけとして「環島」が一気に注目されるようになったそうです。
現在、GIANTは関連会社の旅行代理店にて「環島」パッケージ・ツアーを企画・運営していて、そこには自転車とヘルメットのレンタル代やメンテナンス代、ホテルの宿泊費から食事代、荷物を運ぶ運搬車の費用まですべてが含まれているので、気軽に「環島」を始めることができます。
その旅行代理店「捷安特旅行社」の公式サイトを見ると「單車環島」という自転車の環島専用ページが設けられていました。台北からの場合、市内の台鐡松山駅前から出発し、40人1組で8泊9日かけて台湾を一周するツアーが定番になっているようです。
費用は1人部屋で申し込んだ場合は15万7千円、4名1部屋で申し込んだ場合は1人あたり10万円ほどで参加できます(1元=3.7円で換算)。詳しくは、下記のサイトをご参照ください。
3月11日午前、台北松山空港に着いた僕は、空港内にある「中華電信」でプリペイドSIMカード(容量無制限、使用期間15日間)を購入しました。日本よりも安く、100元分の無料通話がついて700元(2590円)でした。
そして、空港から一番近いショップに自転車を手配していただいたので歩いてGIANTショップへ。「オオイシです!」と伝えると、事前に来店することを聞いていたスタッフの方が、その場でセッティングをしてくれました。
僕は今回、初めてGIANTの自転車にまたがったんですが、本当に乗り心地がバツグンでした。20kmくらいのスピードは軽々と出せて、さらに下り坂だと40kmは出ます。
今回の企画では、GIANT様より自転車を無償で貸していただいてます!
また、ウェアや水筒ボトルなどの提供。メンテナンス、フィッティングなども行なっていただきました。ありがとうございます!#環島 #台湾加油 #GIANT pic.twitter.com/ATf3JEuTqg
— ポルポル@台湾環島 (@poruofficial) 2018年3月11日
ウェアの着心地も良く、旅の間ずっと着ていても苦になりません。スタッフのアレックスさんも優しい方で、台湾に到着してすぐ、愛と優しさに触れたような気がしました。GIANT様、ありがとうございます!