古代人の天文観測。不思議な現象が起こる謎深い「世界遺産」6選

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2019/07/15

現代は、最新のテクノロジーによって時間や暦、天体の動きを把握しています。しかし、そういったものがなかった時代、古代には人々はどうやって暦や天体の動きを把握していたのでしょうか。

それは、太陽の動きを観測することによって把握していたのです。実際にそういった目的の建造物が、世界遺産として各地に遺されています。

それらの建造物のほとんどは、ある日時になると太陽光が特別な現象を起こすように造られています。今回はそういった人類の英知を感じることができる、6つの「世界遺産」をご紹介します。

※本記事は現段階でのお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウィルスの国内情報および各施設などの公式発表をご確認ください。

マチュ・ピチュ/ペルー

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誰もが知っている世界遺産の代表格ともいえるペルーの「マチュ・ピチュ」はインカ帝国の遺跡で、標高2,430mの高地にあるため、「空中都市」とも呼ばれています。

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インカ帝国は文字を持っていなかったため、長年、この遺跡が何のために造られたのか謎でした。しかし最新の研究では、太陽の動きを観測するための建造物群であったという説が出てきたのです。

実際、夏至と冬至が区別できるような仕組みがあったり、日時計と考えられる柱があるそうです。

チチェン・イツァ/メキシコ

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メキシコにあるマヤ文明の遺跡である「チチェン・イツァ」には、マヤの最高神ククルカンを祀った9段の階層からなるピラミッドである「カスティーヨ」があります。

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この「カスティーヨ」は、春分の日と秋分の日の日没時に、西から夕陽に照らされ階段の西側にククルカンの胴体の影が現れます

ククルカンは蛇の姿をした神であり、カスティーヨにはその彫刻があるため、太陽光によってその影が現れるように造られているのです。


テオティワカン/メキシコ

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メキシコの首都であるメキシコシティから、北東約50kmのところにある「テオティワカン」は、この地で紀元前2世紀から6世紀かけて栄えたテオティワカン文明の遺跡です。

非常に巨大な遺跡で、「太陽のピラミッド」、「月のピラミッド」、5キロメートルの「死者の大通り」と呼ばれる道をメインに、いろいろな施設が配置されています。

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このうち「太陽のピラミッド」は、夏至の日に太陽がピラミッドの真正面に沈むように造られています。また、パワースポットしても有名です。


ストーンヘンジ/イギリス

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日本でも有名な、イギリス南部にある「ストーンヘンジ」は、巨大な石が直径約100mの円形に並んでおり、その石の上に同じような巨大な石が横向きに乗っかっています。

造られたのは紀元前3050年ごろから紀元前1600年ごろにかけてと推測されています。

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夏至の日には中心にある祭壇石を結ぶ直線上に太陽が昇ります。このことから、天文的な目的で造られたと推測されていますが、本当のことはわかっていません

ボイン渓谷/アイルランド

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アイルランドの「ボイン渓谷」は、紀元前8500年ごろから始まった新石器時代以降に造られた遺跡群です。

このなかの「ニューグレンジ」は紀元前3000年ごろに造られた、なだらかな山のように土が盛られたお墓です。

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「ニューグレンジ」の役目は、冬至の日を知らせてくれること冬至の明け方に十数分間という短い時間だけ、太陽の光が内部の部屋に差し込むように造られています。

アブ・シンベル神殿/エジプト

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エジプトの南部にある「アブ・シンベル神殿」は、世界遺産である「ヌビア遺跡」のひとつです。大神殿と小神殿からなっており、大神殿は太陽神ラーを、小神殿はハトホル女神を祀っています。

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建造されたのは、紀元前1250年ごろで、時のエジプト王であるラメセス2世によって造られました。

春分の日と秋分の日の明け方から、入り口にある4体の像を順番に太陽光が照らしていきます。

こうしてみると、古代の人たちの知恵には驚かされます。まさに、太陽はこの世のすべてをつかさどる存在だったのですね。

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高校卒業から100カ国近くを旅した元バックパッカー。関西の編集プロダクションを経てフリーに。現在はタイを拠点にフリーの編集・ライターをしています。みんな、旅に出よう!

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